作品情報 2015年アルゼンチン映画 監督:パブロ・トラペロ 出演:ギレルモ・フランセーヤ、ピーター・ランサーニ、ステファニア・コエッスル 上映時間:110分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズららぽーと横浜 2016年劇場鑑賞205本目
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【ストーリー】
1980年代、ブエノスアイレスに住むプッチオ家は、端から見ると仲良くうらやましい家庭だった。家長のアルキメデス(ギレルモ・フランセーヤ)は軍の英雄、妻エピファニア(リリー・ポポヴィッチ)は教員を務めながら、家事にもしっかり目配りする。長男のアレハンドロ(ピーター・ランサーニ)はラグビーのアルゼンチン代表のキャプテンでスポーツ店を経営。そのほか、4人の子供にも恵まれていた。
しかし、プッチオ家には秘密があった。民主化で軍の仕事を失ったアルキメデスは、誘拐ビジネスを行っていたのだ。人質は秘密を守るために大金を奪った後、必ず殺す。強面のアルキメデスの命令に逆らえないアレハンドロは嫌々ながら仕事を手伝っていた。軍にも警察にもパイプを持つアルキメデスのおかげで、ビジネスは繁盛。プッチオ家は裕福になっていく。だが…
【感想】
実話というのが何よりも怖いし、事実は小説より奇なりというか、衝撃の展開、結末もなんともいえません。アレハンドロは、心優しい青年で、モニカ(ステファニア・コエッスル)という美しい女性とも恋に落ちます。しかし、軍で冷酷な勤務をしてきたせいか、誰に対しても残忍なアルキメデスの命令には逆らえません。そのことが彼の心を次第に壊していきます。
このアルキメデスがあるときは暴力で、別の時は懇願やプライドをたてるいいかたで、息子達を洗脳、支配していく様子は吐き気がするほど。しかも被害者が情報をしっているということで、アレハンドロの親友だったり、店の常連だったりというところが、また嫌らしい。
ラテンアメリカの家族への思いというのは格別で、特にアルキメデスにとっては家族以外は敵か支配するべきものと思っていたのでしょう。にこやかに話していた相手をいきなり銃でドスンなんて、サイコパスのようですが、歪んだ家族愛と金銭への執着がひどすぎるといえましょう。しかも、軍とのパイプを最大限利用するというのも第三世界ならでは。今の日本では考えられません。
ギレルモ・フランセーヤの威厳とサイコパスにあふれる家長ぶりは、すさまじいの一言。悪人でも家族にはやさしいというのが、かえってリアルさをまします。また、ピーター・ランサーニも最初のうちは良心の呵責におびえますが、次第にデリカシーが鈍磨して、うつろな表情になっていくのもうまい。アルゼンチン映画はあまりみないので、知らない俳優ばかりというのも、次の展開がわからないので良かったですね。
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