2016年10月14日

リトル・ボーイ 小さなボクと戦争

 第二次大戦末期、戦地に行った父の帰りを待つ少年の起こした奇跡を描いた作品。ハートウォーミングといいたいけれど、実際に戦死者はいっぱいでているわけで、日本からみるとちょっと複雑な気分かも。

 作品情報 2016年メキシコ、アメリカ映画 監督:アレハンドロ・モンテベルデ 出演:ジェイコブ・サルヴァーティ、エミリー・ワトソン、ケイリー=ヒロユキ・タガワ 上映時間:106分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2016年劇場鑑賞228本目



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 【ストーリー】
 第二次大戦末期のカリフォルニアの田舎町。8歳の少年ペッパー(ジェイコブ・サルヴァーティ)は、小さい体のため「リトル・ボーイ」と呼ばれ、子供たちのイジメの対象になっていた。そんな彼が大好きなのは、優しい相棒の父親ジェイムズ(マイケル・ラパポート)と、映画館を回って手品を見せる魔術師のベン・イーグル(ベン・チャップリン)だった。

 しかし、兄のロンドン(デヴィッド・ヘンリー)が検査に落ち、代わりにジェイムズが戦場へ行くことに。ロンドンとペッパーは日本が憎くてたまらない。収容所から解放された日系人の老人ハシモト(ケイリー=ヒロユキ・タガワ)が町外れに住んでいることをしり、嫌がらせに行く。母のエマ(エミリー・ワトソン)はそんなペッパーをたしなめ、教会のオリバー司祭(トム・ウィルキンソン)は、ペッパーに6つのキリスト教のことわざを教え、ペッパーに「汝の敵を愛すること」、つまり、ハシモトと友達になることを勧める。この6つの教えを守れば、父が帰ってくると信じたペッパーだったが…。

 【感想】
 メキシコで大ヒットして賞を総なめしたそうなので、てっきり、メキシコが舞台の映画かと思いきや、カリフォルニアを舞台にしていました。「リトル・ボーイ」というのは広島に落ちた原爆の通称。ベン・イーグルの舞台をみて、自分に魔術の才能があると信じ、神との約束を果たした後は、海岸で日本の方を向いて、父親が帰ってくるよう魔術をかけます。最初はバカにしていた町の人たちも、「リトル・ボーイ」という名前の原爆が日本に落ちたことで、ペッパーの奇跡だと驚き喜びます。

 実際、当時のアメリカ人の感覚はそうだったのかもしれません。しかし、エマは戦争で人が死ぬこと自体がよくないこととペッパーをたしなめ、その晩、ペッパーは自分と同じような子供たちが黒焦げになって死んでいる悪夢にうなされます。また、ハシモトの話から収容所で日系人が大変な目にあわされ、釈放されても町で村八分になり嫌がらせになる状況も描かれます。現代の感覚からうまく反戦映画として成立しています。このへんがメキシコで大ヒットしても、アメリカでは今イチだった理由かもしれません。

 また、キリスト教の約束事は、あまり知らなかったのですが、結構、意外な約束まで出てきます。現代でもこうした約束が守られていれば、アメリカ社会もぎすぎすしないで済んだかもしれません。差別をしないで、許し合うことができるアメリカ。そうした意味でもある種、寓話的なお話しではありますし、もっとアメリカでヒットすればいいのにという気もしました。また、日本は敵国でありますが、現代の感覚からみてもあまりおかしく描かれていません。カリフォルニアの美しい海辺の風景と合わせて、小品ですが丁寧な作りと感じました。

 ジェイコブ・サルヴァーティは子役ながら、目力が強く、主役として映画を引っ張っていきました。ベテラン日系人俳優タガワがステレオタイプな日本人キャラを排したのも物語を上品なものにしています。さらに、父親役のマイケル・ラパポートがいかにも優男で、こんな人までつらい体験にあうのが戦争なんだともしみじみ。
posted by 映画好きパパ at 07:09 | Comment(0) | TrackBack(4) | 2016年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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