2016年10月21日

何者

 就活を題材に、SNS時代の若者をリアルに描いた朝井リョウの直木賞受賞作が原作。演劇畑の三浦大輔監督だけに、演劇調の場面もうまくはまっており、人気者をそろえた出演者たちがこれまでと違う顔もみせてくれます。しかし、人の嫌な部分、弱い部分を見せつけられ、二回みようという気は起きなかったなあ。
 
 作品情報 2016年日本映画 監督:三浦大輔 出演:佐藤健、有村架純、菅田将暉 上映時間:98分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2016年劇場鑑賞235本目



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 【ストーリー】
 就活。それは青春の終わりを告げる大事な儀式。学生時代、演劇に打ち込み、周囲のことを冷静に分析するのが得意な拓人(佐藤健)。拓人のルームメイトで、バンドのボーカルとして活躍していた天真爛漫な光太郎(菅田将暉)は、留学から戻ってきた真面目系の同級生、瑞月(有村架純)の訪問を受けて驚く。彼女の留学時代の友人で意識高い系女子、理香(二階堂ふみ)も同じマンションに部屋を持っていたのだ。

 彼らは理香の部屋を就活対策本部と名付けて、内定を勝ち取ろうと盛り上がる。一方、理香と同棲している隆良(岡田将生)は、就活は社会のシステムに組み込まれることだと否定的。拓人は理系の大学院に通うサワ先輩(山田孝之)のアドバイスを気にしながら、就活を行うのだが…。

 【感想】
 僕が就活していたころに、「就職戦線異状なし」という織田裕二主演の映画がありました。そのころの脳天気な就活に比べると、景気が回復しつつあるとはいえ、現代の就活は本当に悲愴です。しかも、SNSというやっかいなものが事態をより複雑にします。そもそも、ツイッターを本名でやっているというのが、今の若者は勇気があると思いましたけど。

 主人公達の大学は、原作者の朝井が通った早稲田大レベルなのでしょう。だから、彼らも一流企業にいけなければダメという感覚がどこかにあるかもしれません。また、SNSやネットで情報が膨大に流れる中、それにおぼれないで就活をするというのは、相当なスキルが必要です。こうしたなか、就活に取り組むことは僕にはできず、昔に就職できて良かったというのが正直なところ。

 また、5人は意図的に性格をわけていますが、それぞれ、長所、短所がリアルにでています。特に、5人とも嫉妬、強がりなど人間の嫌な面をきっちり演じているのがすごい。佐藤がこれほどまで、コンプレックスを持つ青年を演じられるというのは正直驚きでしたし、他の4人も今が旬の俳優たちなのに、見事にオーラを消して、「自分が何者か」に苦闘する等身大の姿になりきっています。

 SNSで自分を承認してくれる甘い社会ではなく、リアルを生きることの大切さと困難さ。劇中の台詞を援用すれば、頭の中の傑作でなく、10点でもいいから、結果を出すことこそ、青春の終わりと大人への階段を上ることを象徴しているのでしょうね。

 また、原作のエッセンスを見事にくみ上げ、演劇人である三浦が、映画という芸術においても、うまく表現していたのがうまい。東宝のエンタメでありながら、こういう工夫もできるんだというのは、感心しました。むしろ、ウェルメイドにいくらでも作れる話を、むしろカタルシスを抑えることによって、逆に若者の心の闇を浮き彫りにするという手法は本当にうまかった。朝井リョウの前作「桐島、部活やめるってよ」同様、ギンジという重要キャラを正面から扱わなかったのもよかった。主題歌の中田ヤスタカも印象的ですね。予告編が大好きな作品です。

 まあ、実際の就活は運が左右すると思うので、人間性を必ずしも反映しているわけではないと思うのですが、どうでしょうかね。
posted by 映画好きパパ at 07:12 | Comment(0) | TrackBack(8) | 2016年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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