作品情報 2015年韓国映画 監督:キム・ソンジェ 出演:ユン・ゲサン、ユ・ヘジン、キム・オクビン 上映時間:126分 評価★★★(五段階) 観賞場所:シネマート新宿 2016年劇場鑑賞236本目
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【ストーリー】
ソウルの再開発予定地区で、反対運動をする住民と強制退去させようとする警官隊が激突。警官と住民の少年1人ずつが死亡する騒ぎになった。地方大学出身で売れない弁護士のユン・ジンウォン(ユン・ゲサン)は、少年の父親で警官殺害容疑で逮捕されたパク・チェホ(イ・ギョンヨン)の国選弁護人となる。
ところが、チェホは先に警官が息子を殺し、自分は息子を守ろうとしただけだと正当防衛を主張。逆に、国に対して損害賠償請求を起こすと息巻く。ジンウォンは、先輩弁護士で酒にだらしないが法曹界の裏に詳しいデソク(ユ・ヘジン)、事件の裏にある国家の陰謀を暴こうとする新聞記者のスギョン(キム・オクピン)の協力を得て、真相を明らかにしようとする。
【感想】
韓国映画は政財界の腐敗に立ち向かう主人公というテーマが好きで、勧善懲悪がうまくいくのも多いですが、主人公側がやられてしまうものもあります。どちらもありだと思うけど、本作はクライマックスの部分が、一気にはしょりすぎてしまって、よく意味が分かりませんでした。
もちろん、日本と韓国の社会環境の違いがあり、正当防衛の成立や、判決が重いかどうかという感覚は違うのでしょう。それにしても、何というか、肩すかしを得た感じ。それまで2時間かけて、じっくりと描いてきただけにちょっとなあ。しかもその2時間も山あり谷ありで、状況を把握するのに時間がかかってしまいます。
ただ、それでも政財官の癒着、腐敗はすさまじいのがわかります。日本だと昭和40年代の社会派映画にこういうのが多かったかな。韓国社会の成熟性というのがまだまだというのは、現実の韓国のニュースをみてもおもいますが、映画にもそれが現れていると思います。マスコミや政治家、そして警察と司法など、さまざまな思惑がうごめくなか、賠償請求額が日本円にしてわずか100円というところに、それでも正義を貫きたいジンウォンの真っすぐさが伝わってきました。
ユン・ゲサンは主役らしく、しっかりと演じていて、おとぼけ脇役の多いユ・ヘジンとのコンビぶりも良かった。ただ、美少女だったキム・オクピンが、なんというか、姉御といいたいような迫力のある女性になっていて、ちょっとびっくり。ただ、新聞記者の論理というのは、日本も韓国もあまり違わず、その傍若無人ぶりをうまく出していたキャラクターでした。
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