2016年10月23日

カノン

 美人3姉妹の共演に美しい音楽と雄大な北陸の風景とは裏腹に、DV、親子の絆という重いテーマを扱った作品。女性脚本家のオリジナル作品だけに、女性の心情は細やかだけど、男性の造形が今一つに感じました。

 作品情報 2016年日本映画 監督:雑賀俊朗 出演:比嘉愛未、ミムラ、佐々木希、鈴木保奈美 上映時間:123分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:角川シネマ新宿 2016年劇場鑑賞237本目



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 【ストーリー】
 親代わりに育ててくれた祖母辰子(多岐川裕美)の葬儀に、久々に金沢の実家である老舗料亭に戻ってきた紫(ミムラ)、藍(比嘉愛未)、茜(佐々木希)の3姉妹は、辰子の遺言をみて驚く。自分たちが幼いころに死んだと聞かされていた母の美津子(鈴木保奈美)が生きているというのだ。

 早速、母の住所を訪れた3人だが、美津子は過度のアルコール摂取により認知症を起こしており、もう3人の存在すら覚えていなかった。3人は小学生のころ、酒を飲んでは暴れる美津子に暴力を受けて、今もそのトラウマを抱えていた。施設で療養する母と別れて、祖母の手元に引き取られていたのだ。なぜ、祖母は母の死を隠そうとしていたのか。気になった藍は母の過去を知る人を訪ねて回る…

 【感想】
 戸籍から抜いたといっても、結婚式の時に自分の戸籍をみれば母親が生きていることは分かりそうなのだけど、実際どうなのでしょうか。それはさておき、哀しい人生を歩んだ母と、そのトラウマを克服しようという3姉妹の生き方を、親子の絆と反発をみせながらもウェルメイドに描いた物語です。

 幼い頃の母親からいじめられるシーンは子役たちの熱演もあり、見ていてぞっとしました。引き離されて、母親のことを他人行儀にみるようになりましたが、それでも、母親を信じようとする3人は、ピアノの発表会で母の好きだった「パッヘルベルのカノン」を弾いて、迎えようとします。

 一方、大人になっても紫はモラハラの夫(長谷川朝晴)に引っかかり、藍の恋人(桐山漣)は誠実ですが、藍は家族を作ることを恐れてしまいます。また、料亭を継いだ茜は偉大だった先代と比べられるプレッシャーに負け、母親同様アルコールに頼ってしまいます。DVが次世代に連鎖する怖さをひしひしと感じました。ただ、男性の僕からすると、クズな男はさっさと切り捨てればいいのに、なかなかそうはいかない女性が多いのでしょうか。また、女性が一方的な被害者かというのも、何となくモヤモヤしましたが。

 出演者のなかでは、鈴木の演技が驚かせてくれます。美人で気立てのいい若いころから、アル中に転落して無表情にDVを行う能面のような様子、そして、認知症になって暴れる姿。中盤以降はすっぴんに近い感じですが、そのなかでもにじむ女優魂。この美しさだったら美人3姉妹が生まれても不思議はないですね。もちろん、美人3姉妹の演技も手堅く、男性からみると眼福です。

 3人が弾く「カノン」は、たどたどしいけれど、聞く側の感情をかきたててくれます。それだけ、作品にはまっていたのでしょうね。また、富山や金沢の美しい風景も、こちらの心をいやしてくれます。ヘビーな作品だけに、それだけに美しさが際立っていました。
posted by 映画好きパパ at 06:36 | Comment(0) | TrackBack(2) | 2016年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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