2016年10月29日

われらが背きし者

 スパイ小説の巨匠、ジョン・ル・カレの作品を映画化。派手なシーンはほとんどない代わりに、最後までどうなるか分からない緊迫した状況が続き、上質のサスペンスを堪能できました。

 作品情報 2016年イギリス、フランス映画 監督:スザンナ・ホワイト 出演:ユアン・マクレガー、ステラン・スカルスガルド、ナオミ・ハリス 上映時間:107分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2016年劇場鑑賞243本目



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 【ストーリー】
 ロンドン大学の詩の教授、ペリー(ユアン・マクレガー)は自分の不倫が原因で、弁護士の妻ゲイル(ナオミ・ハリス)との仲がこじれてしまい、仲直りしようとモロッコにバカンスに来ていた。しかし、関係は気まずいまま。レストランに一人残されたペリーに、大騒ぎをしていたロシア人のディマ(ステラン・スカルスガルド)が一緒に飲もうと声を掛け、大盛り上がりになった。

 翌日、ゲイルともどもディマの娘、ナターシャ(アリシア・フォン・リットベルク)の誕生パーティーに招待されたペリーはディマから、M16に秘密のデータを渡してほしい、さもないと家族ともども殺されると頼まれる。ペリーはロンドンの空港でM16のへクター捜査官(ダミアン・ルイス)にメモリーカードを渡すが、驚くべき事実を知る。ディマたちは新しいボスに命を狙われており、M16にロシアマフィアからイギリスの大物政治家に賄賂が送られている証拠を渡すので亡命したいというのだ。こうして、ペリー夫妻は自分たちでも想像すらしていなかった非情な陰謀に巻き込まれることになる。

 【感想】
 ハリウッド映画なら、ペリーたちが悪者を銃で片っ端からやっつけて家族全員が助かりめでたしめでたしですが、ジョン・ル・カレ原作なのでそんな甘いわけありません。なんと大物政治家はM16出身で、組織に圧力をかけ、へクターの捜査をつぶそうとするのです。従ってペリーもディマも、だれが敵でだれが味方か分からないまま、自力で窮地を脱出しなければなりません。

 M15を信頼しないディマは、ペリーに交渉に立ち会うよう要求します。しかし、詩の教授でしかない彼は生まれてこの方、ピストルを持ったこともない素人。それなのに、残忍なロシアマフィアからどう逃げ切るか。しかも、ディマだけならともかく、幼い双子の娘を含めた彼の妻子6人も無事、脱出させなければならないのです。とんだ無理ゲーですが、子供たちに同情したゲイルの協力もあり、へクターと彼の部下とともに、パリ、ベルン、アルプスと逃げ回ります。しかし、へクターはM16の上層部から作戦の許可が降りず、ペリーたちにもウソをいいながら、孤立無援で立ち向かうしかないのです。

 とにかく、イギリス映画で、陰鬱な雰囲気が延々と続きます。ロシアの雪景色から、フレンチアルプスの荒涼たる風景まで、モロッコの陽光ですら何か裏があるように思えました。冒頭、ロシアンマフィアがディマの友人一家を情け容赦なく殺害するシーンがあり、捕まったらどうなるのかは観客からみても容易に想像が付きます。だから、最後までハッピーエンドかバッドエンドなのかドキドキしながら見ていました。

 登場人物に、ちょっとこれはまずいだろうという動きもありましたが、これは素人だからしょうがないのかな。割と伏線は分かりやすかった。俳優陣ではステラン・スカルスガルドの圧倒的存在感が見応えがありました。
posted by 映画好きパパ at 06:49 | Comment(0) | TrackBack(9) | 2016年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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