2016年11月05日

手紙は憶えている

 認知症の老人が、ナチス戦犯を追うというサスペンス。アイデアはいいのだけど、予告編で見せすぎ。勘の悪い僕でも気づいたのだから、「ラスト5分の衝撃」みたいなあおりはやめてほしかった。

 作品情報 2015年カナダ、ドイツ映画 監督:アトム・エゴヤン 出演:クリストファー・プラマー、マーティン・ランドー、ブルーノ・ガンツ 上映時間:95分 評価★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズららぽーと横浜 2016年劇場鑑賞248本目



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 【ストーリー】
 妻に先立たれて、認知症の症状も悪化している90歳の老人ゼブ(クリストファー・プラマー)はアウシュビッツの生き残りだった。同じ老人ホームの入居者で、やはりアウシュビッツで家族を失った老人マックス(マーティン・ランドー)から、収容所でユダヤ人虐殺を指揮したオットーが、ルディ・コランダーと名前を変えて、アメリカに隠れ住んでいる事実を教えられる。

 しかし、ルディ・コランダーという男は4人おり、だれがオットーか分からなかった。マックスは体の動かない自分の代わりに、オットーを見つけ出して復讐してほしいとゼブに頼む。マックスは認知症ですぐ忘れてしまうゼブに、メモ代わりの手紙を渡し、その指示に従えば大丈夫だというのだが…

 【感想】
 90歳で歩くのもやっと。しかも、ちょっとでも眠ったら記憶が吹っ飛んでしまうという、いまだないタイプの主人公です。オットーを見つけるために、アメリカとカナダの4都市を回りますが、老人ホームを脱走したということで、家族からは捜索願いは出されるし、体力、記憶力ともゼロに近いので、本当にオットーを見つけて、復讐できるのか、はなはだ心許ない。

 手紙を忘れないように、腕に「手紙を見ろ」という文字を書き付けているのも斬新。よぼよぼのゼブの姿をみると、周囲も警戒を解くというメリットはあるのですが、一方で途中で倒れ込むのではという不安も観客に起こさせます。実際、失禁シーンなどもあり、サウンド・オブ・ミュージックのトラップ大佐が、こんなになって、と時の流れの残酷さも感じました。

 ルディ・コランダー役もブルーノ・ガンツ、ユルゲン・プロフノウとドイツの名優がそろってますが、寝たきりで体が動かなかったりしてるし、マーティン・ランドーも今にも倒れそうだし、老人ばかりが活躍するサスペンスというのも、今の時代にあっているのかも。

 また、オットーの子供などは、自分の親が戦犯だとしったときにどう思うのか。70年前が忘れられないユダヤ人と、70年間アメリカで育って、ナチスとは関係ない子孫とそれぞれの気持ちが重ならないというのも、重たく感じられました。ただ、オチがありきの感もあって、もう少し説明してくれないと、ちょっと強引だったという気持ちは正直、否めませんでした。
posted by 映画好きパパ at 07:53 | Comment(0) | TrackBack(7) | 2016年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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