2016年11月07日

戦場のメロディ

 朝鮮戦争当時に実際あった孤児たちによる合唱団の物語。戦争の悲惨さと裏腹の子供たちの美しい歌声は心をうちます。

 作品情報 2015年韓国映画 監督:イ・ハン 出演:イム・シワン、コ・アソン、イ・ヒジュン 上映時間:124分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:シネマート新宿 2016年劇場鑑賞249本目



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 【ストーリー】
 朝鮮戦争当時、幼い少女スニ(イ・レ)は北朝鮮の歌を歌っていたため、父親が共産党のスパイだと決めつけられ処刑される。スニは兄のドング(ジョンウォン)とともに、釜山の闇市に逃げ込む。

 韓国軍のサンヨル少尉(イム・シワン)は激戦の前線から釜山に移動となり、国連が設営した孤児院の管理担当となる。院長のジュミ(コ・アソン)はボランティアの若い女性だった。最初はとまどっていたサンヨルも、妹を戦争で失ったこともあり、親のない子供たちの面倒を見ようと決意。音大出身の経歴をいかして、合唱団を作って子供たちの心を癒すことを決める。孤児院の外の闇市でも、孤児たちが大勢いることをしったサンヨルは、闇市を仕切るカルゴリ(イ・ヒジュン)に協力を求める。カルゴリはある思惑でスニたちを合唱団に送るが、スニは親を失ったトラウマから、決して歌おうとしなかった…

 【感想】
 朝鮮戦争では国土が戦場と化したため、農民たちは北朝鮮占領下では北朝鮮に従い、韓国占領下では韓国に従わざるを得ませんでした。幼い少女の歌で、親が殺されるというシビアな世界というのもうなずけます。ただ、スニにとっては自分のせいで親が殺されるのだから、本当にトラウマに残ったでしょう。

 サンヨルも戦火で妹を失い、敵を憎む気持ちは人一倍で、激戦を生き抜いてきました。その戦場での鬼のような顔と、孤児たちを相手にしたやさしい素朴な青年が同一人物とは思えない。戦場がいかに人を狂わせるかがよく分かります。ジュミや子供たちと過ごすことで、彼の人間性が取り戻されていき、同時に子供たちも彼らを親代わりに見立てている。その絆がはっきりと分かりました。

 最初はまとまらなかった孤児たちも、サンヨルとジュミの指導で、次第に歌がうまくなっていく様子は定番ですが、ほほえましい。しかし、その裏では大人達の汚い陰謀が渦巻いています。カルゴリは軍需物資を子供たちに盗ませており、子供たちは従わざるをえません。なにしろ、不発弾を拾った子供が爆死したり、戦争に巻き込まれて命を落としたり、生きるのがせいいっぱい。単にきれいごとにすませないというのもよく考えたシナリオです。一方、カルゴリ自体も戦争の犠牲者であり、子供たちへの思いを複雑にしているのも話を奥深くしています。ただ、終盤はちょっとあざとすぎる気もしました。

 イム・シワンはKポップのアイドルだそうですが、僕は初見。でも、戦場の鬼と子供たちへの表情とうまく演じていたと思います。コ・アソンは「グエムル」の子役ですね。日本のテレビ番組「深夜食堂」にも登場しているそうで、順調にキャリアを積んでいるようです。画一的な美人でないところが、親しみがわきました。そして、何より子役達のすばらしさ。主にスポットにあたっているスニとドヨンだけでなく、他の子役も生き生きしており、映画を肉付けしました。
posted by 映画好きパパ at 07:08 | Comment(0) | TrackBack(2) | 2016年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2016-11-09 22:26

戦場のメロディ ★★★・5
Excerpt: 朝鮮戦争時に、戦地や軍の病院などへの慰問を行っていた実在の児童合唱団から着想を得たドラマ。激戦が繰り広げられていた1952年を舞台に、児童合唱団を結成し、指導に励む青年少尉と子供たちの絆が描かれる。監..
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