作品情報 2015年韓国映画 監督:チェ・ジョンヨル 出演:ジス、スホ、リュ・ジュンヨル 上映時間:93分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:シネマート新宿 2016年劇場鑑賞254本目
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【ストーリー】
サンウ(スホ)は女手一つで育ててくれた祖母(リュ・ジュンヨル)の生活を少しでも良くするため、20歳になったのを機に海兵隊に志願する。入隊の前夜、親友のヨンビ(ジス)、ジゴン(リュ・ジュンヨル)、ドゥマン(キム・ヒチャン)と基地のある町・浦項へ青春最後の思い出作りへと向かう。
酒を飲んで大騒ぎした彼らは、だれもいない漁港で、男(ホ・ジュンソク )が女(イ・ジヨン)に激しい暴力をふるっているのを発見。止めに入ろうとして、男ともみ合いになる。そして…
【感想】
青春と友情の美しさとはかなさ、もろさがひしひしと伝わってきて、見ているこちらの心が痛くなります。若者らしい正義感から、暴力男をとめようとした4人。しかし、もみあいが大事になり、警察に追われることになってしまいます。素直に警察に事情を話せば良かったのに、親や祖母に心配させたくないという子供らしさから、逃亡してしまい、さらなる悲劇をよんでしまいます。
彼らの行動は大人からみればもっと冷静に対処すればいいと歯がゆくなるのに、若さゆえに真っすぐにつっぱしてしまったというべきでしょうか。ヨンビは父親からDV被害を受けており、女性に対する暴力は許せなくなり、かーっとなってしまいます。こうした正義の心がやることなすこと裏目になっていきます。自分が20歳の時だったらどうしたのかなと考えてしまいます。
一方、被害者は町の有力者であり、警察の捜査もずさんで一方的なもの。親達も穏便にすませることしか考えていません。大人の汚さ、ずるさと対比して彼らの正義感が浮き彫りになりますが、結局は大人に勝てない閉塞感というのは今の韓国社会を浮き彫りにしているのでしょう。
また、彼らにとっても友情や正義が優先された青春時代というのは幕を閉じるという残酷な結末がまっています。わずか1日で、人生で最も輝ける日が終了して、暗黒の余生が続くというのは、これほど残酷なことはありますまい。スホたち4人がまだ子供っぽい表情を残しているだけ、余計、生きることのつらさを感じました。
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