2016年11月20日

奇蹟がくれた数式

 伝説的なインド人の天才数学者ラマヌジャンの伝記映画。非常に真面目に作っていますが、その分、おもしろみにかけてしまった気もします。しかし、彼がもし長生きしたら数学界はどうなっていたのかと、思いをはせてしまいます。

 作品情報 2015年イギリス映画 監督:マシュー・ブラウン 出演:デヴ・パテル、ジェレミー・アイアンズ、トビー・ジョーンズ 上映時間:108分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:角川シネマ有楽町 2016年劇場鑑賞262本目



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 【ストーリー】
 1914年、インドの事務員、ラマヌジャン(デヴ・パテル)は独学で新しい数式を発見した。しかし、大学も卒業していない彼のことをだれも信用しない。しかし、手紙をみたオックスフォード大学の数学教授、ハーディ(ジェレミー・アイアンズ)は驚く。とてつもない才能をラマヌジャンは持っていたのだ。

 ハーディは数式を証明するためにラマヌジャンをイギリスに呼び寄せる。彼は新妻のジャナキ(デヴィカ・ビセ)を残して、単身渡英する。しかし、植民地出身で学位もない彼に、大学は冷たくあたった。ハーディも証明ができなければ意味がないと求めるが、直感で数式を思いつくラマヌジャンにとって、その意味は分からなかった。次第に孤立し、病気も発症するラマヌジャンだが、とりつかれたように数式を思いついていき…

 【感想】
 数学者というのは変人が多い印象がありますが、ハーディにもう少し社交性があれば、悲劇は避けられたのかもしれません。しかし、数学に真剣に向き合うためには、人間と付き合うよりは数と付き合わなければならなかったのですから、無いものねだりなのでしょう。

 ハーディとラマヌジャンは、真理を見いだすための同志であり、それは凡人には分からないこと。時には衝突しながらも、ラマヌジャンの才能を最も高く評価していたのはハーディであり、2人の人種も年齢も超えた友情というのは気高く、それゆえに世間からは評価されにくい。真理の探究とはどうなのか、門外漢にも分かる作品でした。

 同時に、イギリスからインドの貧しい町まで電話もかけられなかった時代。ジャナキとの連絡がとれないことも、ラマヌジャンの孤独を深め、体調を狂わしていきます。彼があと数十年遅く生まれていれば、そんなことはなかったろうに、運命の残酷さを感じさせます。ニュートン級とも称されたラマヌジャンの才能が、いかしきれなかったのは人類にとって大きな不幸だったといえるでしょう。

 デヴ・パテルは脳天気なインド人という印象が強かったのだけど、伝説の数学者という難役を見事にこなしています。野心、才能、孤独、病気といったさまざまな状況に応じた演技はみごと。ジェレミー・アイアンズがどっしりとしたノーブルな学者の役をしており、この対比も楽しめます。また、ハーディの相棒ともいうべき、数学教授のリトルウッドをトビー・ジョーンズが軽快に演じており、きまじめな作品のなか、数少ないほっとした雰囲気を与えてくれました。
posted by 映画好きパパ at 06:47 | Comment(0) | TrackBack(7) | 2016年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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