2016年11月27日

溺れるナイフ

 日本映画界を担う若手2人、小松菜奈と菅田将暉による、狂気をまじえたラブストーリー。山戸結希監督もまだ20歳で、独特の映像美など才能の片鱗はみられるけど、映画としてのまとまりはあと一歩というところが正直な感想です。

 作品情報 2016年日本映画 監督:山戸結希 出演:小松菜奈、菅田将暉、重岡大毅 上映時間:111分 評価★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2016年劇場鑑賞268本目



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 【ストーリー】
 東京でモデルとして活躍していた中3の望月夏芽(小松菜奈)は、父(斉藤陽一郎)が家業の旅館を継ぐこととなり、海辺の田舎町、浮雲に一家で引っ越してきた。退屈な日常を過ごしていた夏芽は、神域で立ち入り禁止の海で泳ぐ少年、コウ(菅田将暉)と出会う。

 地元の名家の跡取りで、何者にも束縛されず自由に生きるコウに惹かれていく夏芽。荒々しいながらも、その愛に応えるコウ。だが、思いも寄らぬ事件が2人にふりかかり…

 【感想】
 単なるスイーツ恋愛映画でなく、田舎の因襲やカリスマ的な生き方をする主人公2人の思いを美しい自然をバックに描いているのは見事でした。火祭りや面作りなどいかにも日本的ですし。

 ただ、前半の2人が惹かれ合うあたりの説得力が弱く、特に夏芽のキャラが結構薄っぺらくみえてしまうのが欠点。中盤、盛り返したようにみえたけれど、ラストも正直、僕の好みではありませんでした。というか、夏芽の成長がみられず、結局、序盤もラストも小松が演じているというふうにしか思えなかったのですよね。

 正直、小松と菅田の組み合わせだったら「ディストラクション・ベイビーズ」の研ぎ澄まされた緊張感と、どうしようもない人間のいやらしさでみているので、今回は悪くはないのだけど、そちらに比べると落ちるかなあ。

 一方、主要登場人物の中で唯一常識人ともいえる、夏芽に思いを寄せる同級生大友役の重岡大毅と、やはりコウへ思いを寄せる同級生役の上白石萌音はもうけもの。重岡の演技をみるのは初めてでしたが、初々しさも含めて等身大の高校生になりきっています。また、上白石は、こういう役もできるのかというのがちょっとした驚きでした。

 あと、主題歌は今イチあわなかったかな。重岡のカラオケフルコーラスが見応えがあっただけに、映画にあったというよりも、監督の好みで選んだような気がしました。まあ、批判は書いたけれど、凡百のスイーツ映画が多い中、こういうとんがった作品というのは貴重なわけで、監督の次回作に期待したいところです。
posted by 映画好きパパ at 07:29 | Comment(0) | TrackBack(4) | 2016年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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