2016年12月13日

アズミ・ハルコは行方不明

 原作小説は読んでいないのですが、映画だけ見るとサブカル好きの意識高い系の人に人気がでそう。僕からすると残念ながら豊作だった今年の邦画で比べると、ちょっと見劣りするのですよね。

 作品情報 2016年日本映画 監督:松居大悟 出演:蒼井優、高畑充希、太賀 上映時間:100分 評価★★★(五段階) 観賞場所:シネルーブリ池袋 2016年劇場鑑賞281本目 



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 【ストーリー】
 地方都市で両親、祖母と暮らすOL安曇春子(蒼井優)。祖母の介護で母の機嫌は悪く、勤務先の小さな会社では社長(国広富之)らのセクハラ発言に耐える毎日。

 一方、元キャバ嬢の愛菜(高畑充希)は成人式の会場で再会した同級生のユキオ(太賀)とつきあい始める。ユキオは同級生の学(葉山奨之)も入れて、町中にスプレーで落書きを始める。交番に張ってあった、行方不明の安曇春子の捜索写真を判型にして、「アズミハルコを探してください」と町中に落書きする。そのころ、男性ばかりをボコボコにする女子高生ギャング団が町を荒らしていた。

 【感想】
 地方都市の若い女性の閉塞感を描いたと宣伝されていますが、蒼井優も高畑も、演技をみていても全然閉塞感を感じないのですよね。家に介護があって、大変というのならば、「少女」の本田翼のほうが、よほど大変そう。家族の軋轢は「葛城事件」がありましたし、狭い地方都市での閉塞感というのだったら、「ディストラクションベイビーズ」とかのほうがもろに感じられました。

 だいたい、男とどんどんやっているなんてリア充なんだから、男との間がうまくいかなくなっても、他人の痴話喧嘩はふーんとしか思えません。さらに、この映画に登場する男性陣がそろいもそろってクズばかり。それに女性陣が痛快な仕返しをするのならともかく、行方不明になっても、問題から逃げているだけしかみえず、同情も共感もできませんでした。

 そんななか、通り魔のように男をボコボコにする少女ギャング団が一服の清涼剤。パンチラアクションなんて、メジャーな映画でひさしぶりにみられて、眼福です。脱走してフェイドアウトするよりは、理不尽な社会に復讐するほうが、映画として単純に楽しめます。

 蒼井優がでていると、どうしてもアート映画のように感じてしまい、春子が特別な人間に見えてしまいます。高畑も脳天気な元キャバ嬢をやっていますが、「とと姉ちゃん」を想起してしまいます。物語世界に没入するのに、ちょっと不都合だった気がします。そんななか、ナチュラルにクズな太賀の安定ぶりは、若手なのにすごいなあ。
posted by 映画好きパパ at 07:44 | Comment(0) | TrackBack(8) | 2016年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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