作品情報 2015年アメリカ映画 監督:ピーター・ソレット 出演:ジュリアン・ムーア、エレン・ペイジ、マイケル・シャノン 上映時間:103分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:カドカワシネマ有楽町 2016年劇場鑑賞283本目
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【ストーリー】
2002年、ニュージャージー州オーシャン郡警察のローレル(ジュリアン・ムーア)はタフで優秀な女性刑事だった。彼女はレズビアンで、若い自動車修理工の女性ステイシー(エレン・ペイジ)と恋に落ちてパートナーとなるが、男社会の警察では秘密にしていた。
ローレルが末期がんであることが判明する。夫婦だったら遺族年金がおりるなど遺族に保障があるが、同性愛のパートナーは適用外だった。ステイシーのために、彼女は同性愛者も平等にするよう求めて、病を押して立ち上がる。
【感想】
アメリカの同性愛者の歴史に残る重要な事件。自らが同性愛者であることを公表しているエレン・ペイジの熱演は、まさに思いがこもったもの。ジュリアン・ムーアもベテランですし「アリスのままで」でも難病ものをやっていただけにお手の物です。
さらに、彼女たちの勇気を後押しするそれぞれの姿も、感銘を受けます。珍しく正義の味方役のマイケル・シャノン演じるローレルの相棒刑事、デインは、レズビアンを公表されて最初はとまどいますが、やがてだれよりも強い味方になってくれます。警察署内も最初はしらけた雰囲気だったのが、わずかしかない残された期間を必死で闘うローレルや、危険な捜査を乗り切ってきた仲間の友情をみせてくれるデインの動きにしだいに感化されていきます。
このほか、最初は小娘とバカにしていた自動車修理工場の工員が、レズビアンを非難するチンピラを追い払ったり、ローレルの訴えを審議する行政委員が娘から問い詰められたりする場面など、ちょっとしかでてこない脇役でも、彼女たちに影響されるて、自分ができる行動に踏み出していくのはぐっときました。
難しい立ち位置だったのが、スティーブ・カレル演じる同性愛養護団体のリーダー、ゴールドスタイン。デモを組織してマスコミを呼ぶなど、ローレルたちを自分たちの運動のために利用しようとします。しかし、その動きがなければ、だれもローレルたちを相手にしなかったので、きれいごとだけではものごとは動かないのかとおもいました。
闘病の大変さも描かれていますが、人は何のために生きるのか、それは愛するもののためであるということを、ごく普通の人が、なけなしの勇気を振り絞って見せ、それが周囲に広がる様子はこちらも感動していきます。実話のせいか演出が単調でしょぼく感じてしまう部分は、しかたがないのかな。
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