作品情報 2015年イギリス映画 監督:スティーヴン・フリアーズ 出演:メリル・ストリープ、ヒュー・グラント、サイモン・ヘルバーグ 上映時間:111分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2016年劇場鑑賞285本目
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【ストーリー】
1944年、アメリカの資産家、マダム・フローレンス(メリル・ストリープ)は音楽が大好きで、音楽関係者に多額の寄付を行っていた。明るくやさしい彼女は社交界の花形だったが、それだけではあきたらず、自らも歌手として活動しようと思う。
彼女を愛する夫のシンクレア(ヒュー・グラント)は、ピアニストのコズメ(サイモン・ヘルバーグ)を伴奏者として雇いレッスン。同時に批評家を買収して、フローレンスをほめる記事を新聞にのせた。ますます気をよくしたフローレンスは、カーネギーホールでコンサートを開きたいといいだし…
【感想】
メリル・ストリープは歌がうまいし、こちらにクラシックの素養があまりないので、音痴さがあまりわからなかったのですが(笑)。とりあえず、本物のフローレンスの歌声はyoutubeでも聞け、娘が聞いて大喜びしていました。
明るいラブコメに思いきや、史実に沿って、深みのあるエピソードも盛り込みます。幼い頃、大統領の前でピアノを披露したほどの音楽少女がなぜ、音楽を断念しなくてはならなかったのか。その理由となったある事実が、彼女の一生を左右しました。
実はシンクレアとフローレンスの仲も複雑な愛の形を表しています。これは他人からはうかがいしれないものですが、それにもかかわらず、彼女を愛おしく思うシンクレアをヒュー・グラントがうまく演じていました。このあたりのパートはフランス映画の「偉大なるマルグリット」よりも、愛とは何かを考えさせられます。
また、ちょっと天然の入ったピアニストのコズメが良い味を出しています。プロの音楽家として、フローレンスの下手な演奏は勘弁して欲しいけど、ずばり音痴ともいいだせずに、彼女のペースや人柄に巻き込まれ、どんどん彼女を応援していく。ヘルバーグのとぼけた演技が本当に良い味を出していました。
脇役もうまく、最初はフローレンスの歌に大笑いしていた成り金の若い奥さん(ニナ・アリアンダ)が、満座の前でフローレンスの悪口をいった若者をぴしゃりとはねつけるシーンは痛快。随所に笑わせる場面を盛り込みながら、音楽と結婚への愛を表していきます。ラストはちょっと書き込み足りない感じもするけれど、許容範囲かな。何より実話ということに驚きますよね。
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