2016年12月26日

私の少女時代−Our Times

 昔、王道だった少女漫画のようですが、一周回って、かえって新鮮にみえるから不思議。ラストのエピソードまで、ムズキュンしまくるハートウォーミングラブストーリーです。

 作品情報 2015年台湾映画 監督:フランキー・チェン 出演:ヴィヴィアン・ソン、ワン・ダールー、ディノ・リー 上映時間:134分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:新宿武蔵野館 2016年劇場鑑賞288本目



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 【ストーリー】
 台湾のOL、林真心(ジョー・チェン)は、30代半ばになっても会社では安月給でこき使われたうえ、わがままな彼氏に振り回され、冴えない日々を送っている。疲れ切ったある日、18歳の自分が描いた夢はこんなはずでなかったと振り返る。

 18歳の林真心(ヴィヴィアン・ソン)も、眼鏡をかけた地味な女子高生だった。学園の王子様である欧陽非凡(ディノ・リー)に片思いするが、歯牙にもかけられない。ある日、学校一の不良、徐太宇(ワン・ダールー)が、非凡に絡んでいるのをみた真心は、だれかが送ってきた「幸福の手紙」(他人に転送しないと不幸になるというチェーンメール)を太宇に転送した。すると太宇は車にひかれ、大けがをしてしまう。しかし、そのことがばれ、真心は太宇のパシリに。ところが、太宇は学園一の美人、陶敏敏(デイヴィ・チェン)に恋をするが、彼女は非凡の恋人だった。真心はなぜか太宇に女心のアドバイスをする羽目になり…

 【感想】
 冴えない女の子が学園一の不良に気に入られ、恋の四角関係に巻き込まれるというのは、少女漫画の王道。不良が実は純粋でいいやつとか、太宇と非凡の過去の悲しい友情とか、どこかで聞いたような話がテンコモリです。それでも、真っ正面からこうしたテーマを取り上げているため、むしろすがすがしく感じます。

 当初は相手の恋を応援しようと作戦を編み出す真心と太宇。しかし、失敗続きの作戦の間に、互いの純粋さに気付きます。この二人のぎこちない恋心が、みているこちらを悶絶させます。ああ、自分の高校時代が、こんなに夢と不安とワクワクする毎日だったらどんなに良かったろう。

 さらに、非凡が本当に完璧な王子様で、「花より男子」の花沢類的存在だというのも、ひきつけられます。大事なシーンですっころんだり、当時のアイドルだったアンディ・ラウとの結婚を妄想したりと、真心の天然ぶりも笑わせてくれ、エンタメとして見事な起伏の付け方でした。

 一方、台湾映画らしいのですが、悪役の教師が不良の太宇を退学させようと嫌がらせをします。学校中が教師の横暴に黙るなか、太宇のために立ち上がったのは、いつもみんなからバカにされている真心でした。邦画でも、少女漫画原作作品は相変わらず多いですが、このへんの熱い展開を最近はみかけなくなり、こちらの琴線にふれます。

 SNSもスマホもなかった時代。相手の行動がわからず不安に陥ったり、誤解してしまったりというのも、昔懐かしい展開でした。セリフだけですが、内田有紀や酒井法子が男子高校生の間で人気、なんてところは、日本人として、ちょっとうれしかったかも。

 ただ、残念だったのが、大人になってからの真心を、美人女優のジョー・チェンが演じていたこと。ヴィヴィアン・ソンが体当たりでダサくなっているのに、ジョー・チェンぐらい美人だったら、いくらでも幸せがあるように思えてしまいます。それでも、ラストの展開は王道というか、ニヤニヤしっぱなしで、まさかこうくるかという部分もあります。嫌なことがあったり、心が渇いているときには、この映画がオススメです。

 ところで、この映画、豊崎愛生、水樹奈々、杉田智和ら声優ファン垂涎の超豪華キャストによる吹き替え版があるのですが、ほとんど上映なし。DVD特典を待つしかないのかな。

posted by 映画好きパパ at 07:51 | Comment(0) | TrackBack(3) | 2016年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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