2016年12月31日

今年の映画ベスト10(邦画編)

 空前の大豊作だった今年の邦画。ベスト10ではおさまりつかないほど、名作、傑作、佳作が目白押しです。邦画の危機みたいなことがいわれますが、今年のラインナップをみていると、とても信じられません。



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10位 君の名は
 新海誠監督のメガヒットアニメ。ストーリー、絵柄、キャラとすべてが際立っていますし、前半のラブコメと後半の胸キュンぶりの対比はよくできています。僕も大好きな作品で、劇場で2回見ました。でもここまでヒットするというのはちょっと驚きですね。

9位 何者
 これだけ人気の若手俳優を集めて、今の若者の弱さ、嫌らしさ、そして、社会に入るまでの純粋さをよくぞ表現したという思いでいっぱいです。就活はもちろん重要なテーマですが、ネット社会における人間関係の希薄さ、情報におぼれる若者達ということで、現代社会の影がもっとも表れた作品では。

8位 planetarian〜星の人
 原作ゲームが10年以上前ということもあり、多少古くさいところもありましたが、逆に言うと年を隔てても名作として通用するということでしょう。今年一番泣いた作品で、これも劇場で2回見ました。ただ、女性受けはあまりよくないようで、このへんは「君の名は。」より童貞色がするのかもしれません。

7位 ちはやふる〜上の句
 今年大活躍の広瀬すずの主演作。競技カルタを舞台にした痛快青春映画でしたが、惜しむらくは今年でなければもっと評価が高かったと思うこと。知名度よりも旬で選んだ若手キャストの中でも、広瀬すずは今もっとも輝いている女優だと思うので、新作がどんどん公開されている今は楽しみです。

6位 ディストラクション・ベイビーズ
 見終わったあと、だれかれ構わず喧嘩をふっかけたくなりそうな作品で、ここまでギラギラとした、鬱屈と暴力に満ちた作品は、最近の邦画では珍しい。そして、そのギラギラぶりを 柳楽優弥、菅田将暉、小松菜奈の3人が見事に体現しています。

5位 日本で一番悪い奴ら
 実際に起きた北海道警の不祥事をノンストップエンターテインメントにして、綾野剛の体当たり演技を魅せてくれます。特に、調子にのっているときと、苦境に起きた時の双方で綾野がこんなに魅力的な俳優だとは思いませんでした。でも、今でも似たような事件が起きてるんですよね。

4位 聲の形
 いろいろ考えさせられ、3回も劇場で鑑賞しました。初見のときと2回目、3回目とそれぞれ違った感想があり、3回目は娘も連れて見に行きました。障害者をもった高校生という地味な素材ですが、人間の善悪、差別感とは何かといった深いテーマまで踏み込んでいます。

3位 シン・ゴジラ
 邦画の大作映画が、見ている方にリアリズムを感じさせつつも、恐怖と痛快さを兼ねそろえて体感させるという、映画史に残る作品ではないでしょうか。東日本大震災後の日本の諸制度が主人公でゴジラは狂言回しに過ぎないのも良かった。ハリウッドの娯楽大作よりも本作のほうが、個人的には好きです。これも2回見に行きました。

2位 怒り
 超豪華俳優ですが、ひたすら重いテーマを扱っており、1度見ただけでへとへと。でも、何より見終わった後に、心のどこかに斧を打ち込まれたような衝撃を受けました。人間の原罪や、絶対的な悪と善について、キリスト教の素地がない日本では珍しく考えさせられた作品です。

1位 この世界の片隅に
 70年前の戦争は、決して遠い世界ではなく、僕らと地続きで、確かに生きていた人たちがいたということを、アニメならではの緻密な映像で実感させてくれました。北川景子主演のドラマ版もよかったのですが、この緻密さはアニメだからできたことだと思います。主演ののんについては、とにかくすさまじいの一言で、彼女の代表作になるのでは。


ワースト 
 ボクの妻と結婚してください。
 これはひどかった。織田さんがかわいそう。

 「少女」や「永い言い訳」や「ヤクザと憲法」や「SCOOP! 」や「ヒメアノール」や「葛城事件」や「太陽」がベスト10に入らないというのは、我ながらびっくりです。とにかく、大当たりの年でした。

主演男優賞 神木隆之介(「君の名は。」「太陽」)
主演女優賞 のん(「この世界の片隅に」)
助演男優賞 古館寛治(「太陽」「淵に立つ」)
助演女優賞 二階堂ふみ(「何者」「SCOOP!」「密のあわれ」「ふきげんな過去」)
posted by 映画好きパパ at 06:57 | Comment(0) | TrackBack(13) | 2016年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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