作品情報 2016年日本映画 監督:三木孝浩 出演:福士蒼汰、小松菜奈、東出昌大 上映時間:111分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズスカラ座 2017年劇場鑑賞4本目
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【ストーリー】
京都の南山美大生での高寿(福士蒼汰)は、電車の中で見かけた美しい女性福寿愛美(小松菜奈)に一目惚れ。思い切って声をかけると、同じ20歳であることが分かり、舞い上がる高寿。だが、愛美のほほはなぜか濡れており、連絡先を教えてくれないうえ、「また会えます」との一言を残して消えてしまう。
恋愛に奥手の高寿だったが、翌日、言葉通り再会できた。親友の上山(東出昌大)のアドバイスもあり、何とか交際にこぎ着けられたが、愛美は午前0時まで家に帰らなければならないという。二人がようやく結ばれた夜、急いで帰った愛美は手帳を彼の部屋に忘れていった。高寿はその内容に驚く…
【感想】
福士、小松の美男美女カップルに、山田康介の撮影、ここのところ三木監督とのコンビがはまっている花谷秀文の美術に冬の京都の風景など、すべてが愛おしくなる作品です。特に、小松菜奈は美人だけど性悪だったり癖があったりする役柄が多かったのですが、本作では、絵を描いたようなヒロインになっており、こういう役もできるのかと、妙に感心してしまいました。
いかにもラノベ風の分かったような分からないようなタイトルですが、終わってみれば納得。たぶん、初見よりも二回目に観たほうがより深く味わえるでしょう。三木監督もそのことを分かっているのか、高寿の目線で来ていた物語が、ラスト愛美からの目線に切り替えており、ああ、こういうことだったのか、と深く納得しました。
最初は最近多い、ムズキュンものを美男美女で取ったのかと思いきや、なかなか凝った作りになっています。ただ、一種のSFなんだけど、その理論がよく分からないというか、愛美の家族はどうなのかとか、その瞬間はどうなるのかとか、美男美女でないと子供と話すと不審者に思われるだろうなど、突っ込みたくなるというか、頭であれこれ考えてしまい、画面から注意がそれてしまうこともしばしばでした。
また、恋愛映画では仕方がないのですが、運命の相手に20歳で出会ってしまうと、残りの人生はどうなるのでしょうかね。相手のことをずっと思っていて、一生一人のままというのは、若い頃は美しいけど、年取ったらちょっと残酷かもしれません。特に40歳すぎたらどうなるのかと、思ってしまいました。
福士、東出と男優陣も素のままに近い表情をみせているのか、ナチュラルにはまっていました。小松の控えめな演技も含めて、最近は演技過剰の作品も多いので、こういう抑制された気品を感じる作品もいいですよね。機会があればもう一度見に行こうかな。
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