ローグ・ワン／スター・ウォーズ・ストーリー

　スターウォーズシリーズは全部見ているとはいえ、それほど思い入れがなく、キャラなども多すぎて把握していません。それでも１作目（エピソード4）のデス・スターぐらいは覚えており、時系列でいえばその前で結果は見えているのにと思いきや、終盤で見事にやられました。

　作品情報　2016年アメリカ映画　監督：ギャレス・エドワーズ　出演：フェリシティ・ジョーンズ、ディエゴ・ルナ、マッツ・ミケルセン　上映時間：133分　評価★★★★（五段階）　観賞場所：TOHOシネマズ日劇　2017年劇場鑑賞5本目　



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　【ストーリー】
　ジン・アーソ（フェリシティ・ジョーンズ）は幼い頃、帝国軍に母を殺され、優秀な科学者だった父ゲイリン（マッツ・ミケルセン）を拉致された。反乱軍のソウ・ゲレラ（フォレスト・ウィテカー）に優秀な戦士として育てられたジンだが、ゲイリンが帝国軍の武器開発に協力しているため、一匹狼として生き抜いていた。

　囚人となっていた彼女は反乱軍のキャシアン・アンドー（ディエゴ・ルナ）に助けられ、ゲイリンが帝国軍の巨大兵器デス・スターの設計に携わっている可能性を知る。ゲイリンは反乱軍にメッセージを送り、パイロットのボーディー（リズ・アーメッド）に託したのだが、ゲレラに捕まってしまった。そのゲレラとの交渉を頼まれたのだ。ゲレラは今は反乱軍とたもとを分かっている。さらに帝国軍からも狙われるジンはアンドー、ロボットのK-2SO（アラン・テュディック）とともに、帝国軍占領下の惑星ジェダへ向かう。

　【感想】
　ドニー・イェンが盲目の剣士チアルート役になるなど、ローグ・ワンのメンバーはそれぞれキャラが立っていますけど、途中までは、よくあるSFアクションで、ゲームのように敵を倒すだけのいつものパターンかと思ってました。ピンチに陥っても、どうせ切り抜けられるだろうし、本作の悪役の帝国軍クレニック長官（ベン・メンデルソーン）がそれほど強くないので、ハラハラ感が薄かった。

　ところが、その不満を、終盤の怒濤のアクションとストーリーがいっきに解消してくれます。エピソード４でデス・スターを攻略するためにルークたちが活躍したのだけど、それは単体で成り立つのではなく、そこにいたるまでにどんな歴史があったのか、しっかり分からせてくれました。わずかの出番でしたがダース・ベイダーの凶悪さはしっかりと刻まれました。

　何よりジンのように組織からはみだしたり、チアルートと彼の親友のベイズ（チアン・ウェン）のように滅びた組織の生き残りなど一匹狼たちが集まるというのは王道でいい。反発し合っていたメンバーたちが、戦う中で一体化していき、最初は、組織の論理を盾に取ったアンドーも、次第に彼らの生き様にひかれるようになっていくのも納得です。それゆえに、ラストの大激戦が心をうつのでしょう。正直、新３部作より、自由な発想でできたこちらのほうが面白かった。

　また、SFXのすごさはアクションシーンよりも、先月急死したばかりのレイア姫役のキャリー・フィッシャーや、20年以上前に死んだターキン総督役のピーター・カッシングが、一緒に演技しているようにみえること。もちろん、いまのっているフェリシティ・ジョーンズの強さやアンドーとの掛け合いぶりも見ものですが、故人となっている往年のスターだけを集めた作品もできるのでは、とちょっと余計なことも感じました。