ドクター・ストレンジ

　アメコミ映画は苦手なんだけど、予告編でみたものすごい映像のアクションに関心をひかれて見に行きました。とにかく今まで体験したことないような、まさに映像のマジックで、映画では珍しく酔っちゃったほど。この映像をだけで映画館に行く価値はあるでしょう。

　作品情報　2016年アメリカ映画　監督：スコット・デリクソン　出演：ベネディクト・カンバーバッチ、キウェテル・イジョフォー、ティルダ・スウィントン　上映時間：115分　評価★★★★（五段階）　観賞場所：TOHOシネマズららぽーと横浜　2017年劇場鑑賞18本目



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　【ストーリー】
　傲慢な天才外科医ストレンジ（ベネディクト・カンバーバッチ）は交通事故に遭い、外科医として一番大切な指が動かなくなってしまう。失意のどん底にいた彼は、かつて、自分が見放した下半身麻痺の患者（ベンジャミン・ブラット）が、チベットのカマー・タージで修行して、歩けるようになったことを知った。

　そこで出会った指導者・エンシェント・ワン（ティルダ・スウィントン）に物質だけでない、精神の世界でこの世を変えることもできる力を見せつけられ、弟子入りを志願する。同じころ、かつてのワンの高弟で、闇の魔術師のカエシリウス（マッツ・ミケルセン）が、世界を滅亡させようと動き出した。ストレンジは兄弟子のモルド（キウェテル・イジョフォー）らとともに、カエシリウスとの戦いに巻き込まれていく。
　
　【感想】
　次元を自由に操れるという設定で、予告にもあるように、映像が縦横斜めどんどん狂っていき、そこの世界で戦うというのは、ぜひ見て欲しいすさまじさ。見ているとどんどん目が回りました。雷撃のような攻撃を使った魔術シーンは、最近のSFXではそれほどの驚きはないとはいえ、最初から最後まで、惜しみなく映像を使っているため、まったく気になりません。

　ストーリー自体は単純ですが、天然ぽいユーモアが随所にあるのがアクセントをつけます。「ドクター」にこだわるストレンジと、悪人なのに英語が下手で、「ミスタードクター」とか訳の分からない呼び方をするカエシリウスの対決は結構、笑えました。また、予告編にもあるけど、呪文かと思ったらＷＩＦＩのパスワードだったりなど、見ていてニンマリという感じ。医師なので、ストレンジが殺人を嫌うという設定も、この手の作品が人命を塵芥のように扱っているのと比べると、好感を持てます。

　さらに、傲慢なストレンジが、矜持をもちながらも、高慢さは結構最後まで残っていたりとか、友達以上恋人未満で、医師としてストレンジを助けるクリスティン（レイチェル・マクアダムス）の存在とか、やりすぎず足らなすぎず、ちょうどいい案配でした。

　ただ、ロンドン、ニューヨークに加えて世界三大都市が香港というのは、中国映画界にこびを売っているようで、ちょっと違和感が。巨漢の図書館番人、ウォン（ベネディクト・ウォン）は悪くなかったけど。
　
　スキンヘッドのティルダスワントンに加えて、レイチェル・マクアダムズがこれまでの印象を覆す豊満な胸というのも、ＳＦＸいや、ドクターストレンジの魔術だったのでしょうか。見終わったあと、そんな印象が残ったりして。