作品情報 2017年日本映画 監督:兼重淳 出演:松坂桃李、菅田将暉、忽那汐里 上映時間:111分 評価★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズららぽーと横浜 2017年劇場鑑賞28本目
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【ストーリー】
厳格な医師の父・誠一(小林薫)に反発して、家を飛び出してミュージシャンになろうとしたジン(松坂桃李)。だが、彼のメタルは売れずに、バンドも仲間割れ状態になる。
一方、父の言うことを素直に聞いていた弟のヒデ(菅田将暉)は医大に落ち、浪人して歯科大に入学する。友人達とバンドを組んだヒデから、曲のアレンジを頼まれたジンは、弟たちの才能に驚き、裏方として支えることを決意する。やがて、ジンたちのデビューは決まるが、歯科医になりたいという夢との間で葛藤していく…。
【感想】
公式サイトによると、サブタイトルの「ソビト」とは【素人・空人】のことで、自由に新しいことに挑戦していく人を指すGReeeeNによる造語だそうです。誠一が今の時代では信じられないくらい厳しく、音楽などまともな人間のやることでないと日本刀を抜いて追っかけ回すほど。そうした、父のもとにそだったにもかかわらず、ソビトになった彼らを表しているのでしょう。
残念ながら、伝記映画でありがちなのですが、ストーリーが予定調和というか、あまり悪人がでてこなくて、エピソードの羅列的なところが感じられます。ヒデを応援する理香(忽那汐里)との淡い恋もそうですし、ジンとヒデに話しを絞ったため、ほかのメンバーが書き割りっぽくなったり。父と息子の関係も、ちょっと良いお話しっぽさを感じてしまいました。
また、GReeeeNは福島県の歯科医大出身で、被災地で治療にあたったことは賞賛されるべきことだと思います。しかし、映画では神奈川県の歯科医大出身に変えられています。個人的にGReeeeNはキセキなど数曲しか知りませんが、そこの設定を変える必然性が感じられませんでした。
とはいえ、松坂、菅田らの歌うGReeeeNの名曲のレコーディングシーンはみていて鳥肌がたったし、震災のような大きなことではないけれど、彼らの歌が病気の少女の心を救うというのは、お話しっぽいけど、ほっとするいい話。最後の父親のセリフもふくめて、良い話だなあ、ということは間違いなくいえます。
また、松坂、菅田は今の若手俳優でも、安心して見られるトップクラスの演技力があります。彼らが、大ベテランの小林薫とぶつかるところも、大きな見所といえましょう。
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