2017年03月25日

ラビング 愛という名前のふたり

 1960年代、異人種結婚を禁じる法律を変えさせる裁判を起こした夫婦を抑制された調子で映し出し、妻役のルース・ネッガはオスカー候補になりました。ただ、事実を元にしたとはいえ、ちょっと単調すぎた気がします。

 作品情報 2016年アメリカ映画 監督:ジェフ・ニコルズ 出演:ジョエル・エドガートン、ルース・ネッガ、マートン・ソーカス 上映時間:123分 評価★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズシャンテ 2017年劇場鑑賞48本目 



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 1950年代、バージニア州では異人種の結婚が法律で禁じられていた。白人の大工リチャード(ジョエル・エドガートン)は恋人で黒人のミルドレッド(ルース・ネッガ)が妊娠したのをきっかけに、異人種の結婚が認められているワシントンDCへ行って、婚姻届を出す。

 だが、新婚生活を送っていた2人を保安官のブルックス(マートン・ソーカス)に逮捕され、裁判の結果、離婚を拒否した2人は州外に追放される。しかし、家族や友人のいる故郷にこっそり戻った一方、人権派弁護士のコーエン(ニック・クロール)らの支援で、州を相手取って訴訟を起こすことになる。

 【感想】
 田舎にすむごく平凡なカップルで、人権派でも何でもなかった2人が、人種が違うというだけで周囲から差別されていく様子は、今も似たようなことが起きかねないような怖さを感じさせます。警察に捕まるのよりも、だれか分からない人の密告や、嫌がらせのほうが、余計に怖さを増幅させます。

 最初は、お上にさからうことなど考えても居なかった2人ですが、ミルドレッドがボビー・ケネディ司法長官に窮状を訴える手紙を出し、そこから人権派弁護士を紹介されるという流れは、1960年代前半のアメリカらしい流れ。映画の製作当時に思いも寄らなかったでしょうが、トランプ政権になって、再び人種間の対立などがあおられそうな時代にふさわしいといえましょう。

 とはいえ、抑制された描写のうえ、10年以上にわたる年月を2時間におさめなければならないため、ダイジェスト的にみえてしまいます。やむを得ないとはいえ、残念でした。さらに、主役2人も含めて、人物描写も淡泊に感じました。

 アメリカの美しい田園風景をみると心が和みますが、むしろこういう地域のほうが人種差別は多く残っているというのは今も変わらないのでしょう。そもそも人種の違いで差別するのはどういうことなのか、考えさせられることは間違いありません。
posted by 映画好きパパ at 07:04 | Comment(0) | TrackBack(4) | 2017年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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