作品情報 2016年アメリカ映画 アニメ 監督:ジョン・マスカー、ロン・クレメンツ 声の出演:屋比久知奈、尾上松也、夏木マリ 上映時間:107分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2017年劇場鑑賞53本目
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【ストーリー】
南海の楽園、モツゥヌイ島。村長(安崎求)の娘モアナ(声・屋比久知奈)は、海と友達になれる不思議な力をもっていた。だが、島民は島を囲む珊瑚礁を越えて海に行っては危険だと信じ、モアナが海へ近づくのも嫌っていた。唯一、彼女が海と親しむのを認めていたのは、変わり者とされている祖母タラ(夏木マリ)だけだった。
そのころ、女神テ・フィティの心を、半神半人のマウイ(尾上松也)が盗み、闇が世界に広がり始める。16歳となったモアナは島を守るため、マウイを見つけ出し、テ・フィティに心を返すために大海原へと冒険を始めるのだった。
【感想】
南太平洋の伝説をモチーフにした作品で、登場人物も南の島の人ばかり。ほとんどの人は、のんびりと暮らしているけれど、冒険は嫌いで、今の生活に安住していることを望んでいます。これは現代の日本にもつうじるかもしれません。モアナの両親も島民もいいひとたちです。けれども、新しい世界に乗り出すという心がなければ、それだけでは生き残れないということを伝えます。
一方、モアナはやさしい心をもち、海と友達なる不思議な力もあります。さらに、未知なるものへの好奇心にあふれており、危険もかえりみず、自分の使命を果たそうとします。さらに、そうした自分を信じることが冒険の成功へと導いていく。少女がこうしたキャラクターというのはいかにも現代的であり、これから先へ生きる若い観客たちへの力強いエールとなりましょう。
力持ちのはずのマウイは完全にモアナの引き立て役。しかし、マウイとモアナのコンビは見ていてすがすがしいし、マウイの力や神としての技があってこそ、冒険は進む面もあります。戦闘も残酷ではなく、恋愛シーンもない。今までのディズニー映画と違った作品であるとのメルクマールになるのではないでしょうか。
このほか、主要キャラクターであるペットでニワトリのヘイヘイも、言葉はしゃべらないし、一見なんのためにいるのかわからないけど、こうしたマスコットの配置も今の時代にあっているのかも。
冒険は、嵐やココナッツ海賊の出現、そして、海底の魔物で巨大なカニのタマトア、火の怪物テ・カァとの戦いなどがあります。いずれもモアナの知恵と勇気が役に立ち、手に汗握る冒険の連続。さらに、死んだタラの魂との対話など死生観も日本人に即した感じで、こちらは心がやすまります。緩急の付け方が実にうまい。
なにより、波が生きているかのような驚異的なアニメーショングラフィックス。そして、主題歌の「どこまでもHowFarI'llGo」の映画にあった伸びやかさなど、どこをとってもお勧め。さすがはディズニーと感心させられました。
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