作品情報 2016年アメリカ映画 監督:モルテン・ティルドゥム 出演:ジェニファー・ローレンス、クリス・プラット、マイケル・シーン 上映時間:116分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2017年劇場鑑賞59本目
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【ストーリー】
5000人の乗客をのせて、外宇宙の惑星へ植民のために旅立った宇宙船アヴァロン号。乗員乗客は120年の旅に耐えるため、冷凍睡眠状態に置かれていた。だが、思いがけないアクシデントで乗客の一人ジム(クリス・プラット)は目覚めてしまう。
到着まで90年。再び冷凍睡眠に戻ることもできない。誰も居ない孤独な宇宙船のなかで、話相手はバーテンロボットのアーサー(マイケル・シーン)のみ。やがて、1年がたち、ジムはもう一人目覚めたばかりの美しい女性オーロラ(ジェニファー・ローレンス)と出会う。
【感想】
広大な宇宙空間でたった2人だけの男女。まるでアダムとイブのようです。最初はぎこちなかった2人ですが、吊り橋効果か次第に親密になっていきます。しかし、ある事情から2人の間に亀裂が入ったとき、宇宙船は思いがけないアクシデントで最大の危機に陥ります。
宇宙船の中の孤独というと「ウォーリー」なんて名作もありましたし、惑星まで広げると「オデッセイ」もありました。こういう状況設定からすると、面白い作品に仕上がるのは約束されたも同然。最近のSFX技術の進歩もあり、炎を上げる恒星や、無重力での宇宙浮遊など、迫力満点です。特に終盤の宇宙船に迫る危機は、都合の良いところもあるとはいえ、「ゼロ・グラビティ」へのオマージュも感じさせ、宇宙船の行方はもとより、2人の安否もハラハラしながらみました。
また、ユーモアもほどよくまじり、やることがなくてダンスゲームにはまったり、ゴールドカードのオーロラと一般カードのジムでは出てくる食べ物が違ったりとくすりとするばかり。マニュアルだらけで融通が利かない船のシステムや大企業に搾取される格差の様子などは、全然話しがちがうけど「わたしはダニエル・ブレイク」から百年たっても人間は変わらないと思いました。
ただ、受け入れられないところが多い問題点が一つあります。以下ネタバレ
オーロラが起きるのは、実は孤独に耐えられなかったジムが無理矢理睡眠ポッドを故障させた人為的なものでした。真相をしったオーロラが「私の人生を奪った」と激怒するのも分かりますし、批評家からの批判もこの点に起きています。けれども、冒頭に書いたように、1年も我慢したジムの葛藤は僕には納得できました。オーロラ視点に立つか、ジム視点に立つかで違うでしょうが、僕は物語を素直に受け入れました。これは観客しだいなんでしょうね。
【2017年に観た映画の最新記事】
僕もこの映画の脚本については否定的です。
パパさんのおっしゃる通り、ジムの気持ちはよ〜く解ります。男ですから。
でも問題なのはそれを許してしまうオーロラの描き方です。
これは男のエゴだしご都合主義です。
僕ならオーロラだけを医療ポッドで冬眠させて、
自分は一人孤独にそれを見送る…それでこそ贖罪と思うのですが…どうでしょう?
抱くこともなかったでしょうから、作劇上の都合は感じますよね。
否定派の意見もわかるし、正直、ラストでジムは宇宙船の危機を
救う代わりに、犠牲になり、オーロラは再び睡眠するのかとも
思いました。制作者側はどうしてこういうストーリーにしたか
しりたいような気がします