作品情報 2016年オーストラリア映画 監督:ガース・デイヴィス 出演:デヴ・パテル、ルーニー・マーラ、ニコール・キッドマン 上映時間:119分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:Tジョイシネマ品川 2017年劇場鑑賞68本目
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【ストーリー】
インドの貧しい5歳の少年サルー(サニー・パワール)は、兄グドゥ(アビシェーク・バラト)の仕事を手伝おうと着いていくが、誤って回送電車の中で眠りこけてしまい、気がついたら1000キロ以上離れたカルカッタにいた。家に帰りたくても、場所を伝えることもできず、孤児院に入れられた後、オーストラリアの裕福な夫婦、ジョン(デビッド・ウェンハム)とスー(ニコール・キッドマン)のもとへ養子に引き取られる。
20年以上たち、養父母に可愛がられて大学に進学したサルー(デヴ・パテル)はルーシー(ルーニー・マーラ)という恋人もできて幸せいっぱいだった。だが、インド料理の赤い揚げ菓子を目にしたことから、自分が迷子で、母(プリヤンカ・ボース)や兄が必死に探しているだろうことに思い至る。インドに行かなくても、グーグルアースなら現地の状況が分かると知ったサルーだが…
【感想】
前半は幼いサルーが迷子になったインドが舞台です。1980年代だというのに、生きるのに必死な貧しい農村や、迷子になった際に、地下街に寝泊まりする浮浪児たちの様子など、日本では敗戦直後としか思えないような状況が描かれます。サルーはオーストラリアの裕福な家に養子になったことで救われたわけですが、大部分の浮浪児たちは悲惨な運命が待ち受けていたことは想像に難くありません。
子役のサニー・パワールはデヴ・パテル以上の好演をみせ、家族へ甘える一方、貧しい家計を助けようと頑張る姿や、危険を察知して生き残る生存本能などは目を見張ります。デヴ・パテルがオスカー候補になったけど、サニー君のほうに賞を上げたいくらい。あどけない表情、不安な表情など時々に応じた演技は見事で本作がデビュー作とは思えないほど。
インド編はわかりやすかったのですが、後半のオーストラリア編になると、はしょった場面が結構あり、ちょっとしっくりこなかった部分もありました。特にルーシーとの関係は、もっとしっかり書き込めばいいのにという感じで、2人の思いがよくわからない。まあ、モデルがいるから仕方がないかも知れませんが。
一方、ニコール・キッドマンはこんなに大きな子どもを持つ母親役になったというのは感慨深いけど、さすがの貫禄をみせます。生みの親と育ての親どちらが大事かという話しになると、育ての親としては不安でしょうが、スーの役柄もあって、人間味たっぷりに感じました。それにしても、グーグルにとってはなんだかんだいって良いPRになったでしょうね。
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