作品情報 2017年日本映画 監督:大友啓史 出演:神木隆之介、有村架純、倉科カナ 上映時間:140分 評価★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2017年劇場鑑賞74本目
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【ストーリー】
新人王に輝いた桐山零(神木隆之介)は名人の宗谷(加瀬亮)と記念対局を行い、善戦するが実力差はいかんともしがたかった。一方、零の育ての親の幸田(豊川悦司)は引きこもりの息子歩(萩原利久)とのトラブルでけがを負い、娘の香子(有村架純)も、大物棋士の後藤(伊藤英明)との不倫が続いており、零の心を苦しめた。
さらにお世話になっている川本家の次女ひなた(清原果耶)は学校でいじめに遭い、そこへ3姉妹を捨てて出て行った父親の誠二郎(伊勢谷友介)が、再び一緒に暮らそうと持ちかけてくる。零はうさんくさい誠二郎と対決するが、ひなたが「それでもお父さんなの」とかばったことに動揺する。
【感想】
幸田家と川本家それぞれ問題が起こります。このうち川本家は、いじめとかつて三姉妹を捨てたやさぐれた父親の登場というアクシデントが相次ぎます。しかし、内容を詰め込みすぎて、一つ一つの描写が浅くなり、テンプレ的な描写になってしまったのが残念です。
幸田家についても、将棋の強い零のせいで家庭が崩壊したという子ども世代の複雑な感情を、なんかいい話しで終わらしてしまった感じがありあり。前編のような子役の香子(原菜乃華)の活躍がみられなかったこともありますが、まとめにかかっているという感情がぴったりでしょうか。
将棋についても現実世界で中学生の藤井四段という、零のような天才が現れているのを見ると、もっと描写に工夫ができなかったのかなという気がしてなりません。前編の勝負師たちの描写が、後編になると、家族の後に隠れてしまった気がします。
とはいえ、神木、有村、川本三姉妹の長女あかり役の倉科カナをはじめ、若手演技陣のフレッシュさは堪能できます。また、伊勢谷と豊川のまったく異なるタイプの父親の存在をみると、同じ父親の僕としては考えさせられることがありました。だから、決して悪い作品ではないのですけどねえ。
ラストのロケ地は山形の立石寺だそうだけど、いってみたいな−
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