作品情報 2017年日本映画 監督:永井聡 出演:菅田将暉、野村周平、吉田鋼太郎 上映時間:118分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2017年劇場鑑賞80本目
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【ストーリー】
赤場帝一(菅田将暉)は将来、日本の総理になるため、まず日本一優秀な海帝高校で生徒会長にならなければならなかった。それは高校時代に生徒会長になれず、次官止まりで大臣になれない父譲介(吉田鋼太郎)の悲願でもあり、そのために数々の習練を積んできた。
しかし、親同士の因縁があるうえ、小学校時代からのいじめっ子で大臣の息子・東郷菊馬(野村周平)もまた海帝高校に入ってきた。帝一は天才・榊原光明(志尊淳)や幼馴染みの白鳥美美子(永野芽郁)に助けられながら、生徒会長選へ向けての権謀術数に巻き込まれていく。
【感想】
ベタベタのギャグ映画ながら、政治への関心を呼び覚ますような描写もあり、若者から高齢者までだれもが楽しめるでしょう。時代設定が昭和のためか、携帯電話でなく糸電話でやりとりするとか、クスリとさせるところがさりげなく盛り込まれています。埋蔵金の活用や賄賂をばらまくなど現実の政界と同じことが高校の生徒会選挙で行われるのだからすごい。
普通の作品だったら帝一のように、野望目指して陰謀をめぐらすけど、あっさり窮地に陥るのは脇役で、主役は貧乏ながらカリスマと人柄の良さで帝一のライバルになる弾(竹内涼真)なんでしょうが、あえて帝一を主役にしたことで、権力に執着する人間の愚かしさと、なぜ、人は権力を求めるのかという根源的なことが描かれ、物語に深みを増しています。
また、若手の旬のキャストをそろえているのに、奇跡的に昭和の高校生にみなはまっているのがすごい。野村やハーフの氷室ローランド役の間宮祥太朗は、イケメン役が多いほかの映画とがらりと変わってはじけた役だし、志尊が帝一に淡い恋心を抱いているような中性的キャラにもはまっている。
その一方で、未だに高校生役がぴったりの千葉雄大や古風な女性役があっている永野など、まさに適役ばかり。これにカメレオン的演技の菅田と常にハイテンションな吉田があいまり、とにかく見応えのある演技が続きます。
音楽の活用もみごとで、マイムマイムは未だに頭から離れません。このときの千葉の表情はすごいツボに入るのひとこと。さらに、イケメン男子たちのふんどし姿での和太鼓や、見事なばかりの永野のハイキックなど、ビジュアル的にもたまらないシーンの数々。ギャグもはまっていて久々に心から楽しめる作品でした。永井監督のギャグ作品とはこれまで相性がよくなかっただけに、うれしい誤算です。
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