2017年06月09日

ちょっと今から仕事やめてくる

 仕事をしている人やこれから就職する人だけでなく、家庭や人間関係に悩んでいる人にもぜひみてもらいたい作品です。見終わった後、きっと暖かい感動が残るでしょう。

 作品情報 2017年日本映画 監督:成島出 出演:福士蒼汰、工藤阿須加、吉田鋼太郎 上映時間:114分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2017年劇場鑑賞93本目



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 【ストーリー】
 ブラック企業の新入社員・隆(工藤阿須加)は上司の山上部長(吉田鋼太郎)から連日パワハラを受け、心身ともに限界が来てホームから転落しそうになった。そこを助けてくれたのが、幼なじみのヤマモト(福士蒼汰)と名乗る青年だった。

 小3の時に転校したというヤマモトのことを覚えていなかったが、天真らんまんな彼と話しているうちに、隆の調子も回復していく。さらに、職場のエースであこがれの先輩・五十嵐(黒木華)からも評価され、有頂天になる隆だったが、ある日ヤマモトのことをネットで調べて驚いた。なんと彼は3年前に…

 【感想】
 実は映画としてのできはそれほどではありません。終盤が説明過多で冗長に感じるとか、妙なところに凝った演出をいれるのがちょっと、と感じるところもありました。けれども、ストーリーがすばらしい。人は何のために生きるのか。自分だけではなく、自分を支えてくれる人がいることを思い出させてくれます。また、てんぱっているときは視野がものすごく狭くなったとしても、ちょっと余裕をもてば、実はたいしたことがないといったことがわかります。

 序盤はヤマモトの存在の秘密や、山上部長の典型的なパワハラなど、スクリーンから目が離せませんでした。さすがに「有給休暇はいりません」なんて社訓を今ももっていたら労基署にたれこまれそうですが、それでも山上的なパワハラってまだ残っているでしょう。それに、五十嵐以外の社員が、ひたすらモブとなって、今は隆に集中されているいじめが自分に向かないようにしているのはとてもリアル。一緒になっていじめるよりも、こちらのほうが応えるかもしれません。

 また、田舎の両親(森口瑤子、池田成志)とのギャップがなんともいえないむずがゆさを起こします。親子とも相手をおもいやっているがゆえに、いえなかったり、逆にあさってのアドバイスをしてしまったり。それでも親子の無償の愛というのが、どれほど大切なのか、普段空気のように感じないだけに、思い起こさせてくれます。

 さらに演者もみんなはまっていました。工藤のどこにでもいそうな青年が、パワハラで自分の魂を見失うのはすごいリアル。汚れていく部屋の中で眠れず膝をかかえる姿は目を背けたくなるほど。ヤマモトとしりあううちにどんどん明るい表情になっていく様子は彼の代表作といっていいでしょう。福士も関西弁をつかいこなす一方、秘密を抱えた人物を好演しており、失礼ながらここまで演技に見応えがあるとは思いませんでした。

 さらに、紅一点というべき黒木も、ああ、こういう演技もできるんだとしみじみと納得させられるうまい配役。五十嵐と隆の後半の会話は、五十嵐の人間性をすくいあげるとともに、やっぱり会社というのはこんなものかと思わせてくれます。パワハラ部長をいきいきと演じている山上も、実は時代遅れで小さな会社のお山の大将でしかないという哀れさがにじみでており、吉田もすごいなあ。

 そして、冒頭、バヌアツのものすごく美しい夜景から始まります。一瞬、違う映画かと思うかもしれませんが、その後につながる重要なシーンなので、お見逃しなく。エンディングのバヌアツの海や緑の風景にコブクロの主題歌もよくあっていました。
posted by 映画好きパパ at 06:49 | Comment(2) | TrackBack(8) | 2017年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
正社員というものにしがみついてしまうのは、
一旦辞めてしまうと正社員にありつけないみたいな
今の社会の特徴なのかもしれませんよね。
俺の若いころはキャリアアップなる言葉が流行っていて、
資格やスキルでどんどん転職しましょうという時代でした。

この映画をぜひ見てほしい人たちは
多分忙しくて映画どころではない人ですよね・・・
Posted by kossy at 2017年07月12日 20:30
コメントありがとうございます。

仕事がつらくてしょうがないひとほど
この映画をみてほしいですね。
まだ上映館もありますから、チャンスは
残っているので、まだのかたはぜひどうぞ
Posted by 映画好きパパ at 2017年07月12日 23:04
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