作品情報 2016年アメリカ映画 監督:ピーター・バーグ 出演:マーク・ウォールバーグ、ケヴィン・ベーコン、ジョン・グッドマン 上映時間:133分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2017年劇場鑑賞105本目
ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください

にほんブログ村
【ストーリー】
2013年4月15日、ボストン警察殺人課のトミー(マーク・ウォールバーグ)は、ボストンマラソンの警備にかりだされていた。町はマラソン一色で、妻のキャロル(ミシェル・モナハン)も忘れ物を届けに、トミーの担当するゴール近くまでやってきた。
その時、突然、爆弾が2回爆発した。大勢の死傷者がでるなか、懸命に救出活動にあたるトミーたちボストン警察や消防署員たち。事件はテロと判断され、FBIのデローリエ特別捜査官(ケヴィン・ベーコン)が捜査の指揮をとることになった。地元を知るトミーも捜査に協力する。一方、犯人はチェチェンから移民してきた若い兄弟(アレックス・ウォルフ、テモ・メリキゼ)だった。二人はさらなるテロを計画していた。
【感想】
ボストンマラソンでテロ事件があったのは覚えていますが、どういうてん末かはすっかり忘れていました。本作はトミーだけでなく、犯人の2人、さらに、爆発に巻き込まれた被害者、続くテロ事件の被害者など多くの登場人物が出てくる群像劇になっており、どの人が犠牲者になるかこちらは知識がないわけですから、みているこちらはどんどん緊張が高まっていきます。
テロ事件直前までは、あこがれの彼女にデートを申し込んだり、赤ちゃんをつれて町に散歩にいったり、ごく普通の日常を送っていたボストン市民たち。それが、ドラマにでてくるような陰謀組織でなく、頭も腕力もたいしたことのないチンピラ2人がこれだけの騒ぎを起こしてしまうというのも現代の恐怖でしょう。
そして、これまた映画と違うのは警察隊と犯人の銃撃戦で警察の弾丸がほとんどあたらないこと。「ローン・サバイバー」のような激しい打ち合いが、変哲もない住宅街で行われるのだから、これまたボストンの市民だけでなく、ロンドン、パリなど世界中の人にとって恐怖といえましょう。日本でもオリンピックなどの国際イベントがあるのですから、ひとごととはいえないはずです。
トミーは主人公らしく活躍するとはいえ、捜査がうまくいかないといらだちますし、ほかの捜査員たちもあせるなか、空回りも続きます。一方、犯人2人も誤算続きのうえ、妻や友人など周辺の人物も等価値に扱っていること。得体のしれないモンスターでなく、そこにいる人がテロをおこしたり、関係者だったりする不気味さがなんともいえません。また、犯人側の人物の発言ですが、シリアなどでははるかに多い市民が殺されているわけです。こういう現実もきちんと見据えています。
しかし、救いなのはそれでも立ち上がろうとするアメリカの強さ。そして、映画の最後には本物の捜査官や事件で負傷した人たちがミニインタビューに応じます。テロを防ぐには愛の力なんて言葉を真っ正面から訴えるのは、青臭いけど、やはり、今見なければならない作品だという証しなのでしょうね。
【2017年に観た映画の最新記事】