2017年07月05日

光をくれた人

 デレク・シアンフランス監督の文芸映画で、今世紀前半の美しい美術、ファッションは見応えがあります。ただ、シアンフランス監督ならもっと人間のとげとげしい部分の描写があるかと期待したので、ちょっと肩すかし。

 作品情報 2016年アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド映画 監督:デレク・シアンフランス 出演:マイケル・ファスベンダー、アリシア・ヴィカンダー、レイチェル・ワイズ 上映時間:133分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズシャンテ 2017年劇場鑑賞110本目



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 【ストーリー】
 第一次大戦後のオーストラリア。戦場で心に深い傷を負ったトム(マイケル・ファスベンダー)は孤島の灯台守を志願する。陸から隔絶された島でひとりぼっちの生活を送っていたトムだが、3カ月後契約のために港町にもどったところで、地元の名士の娘イザベル(アリシア・ヴィカンダー)と結婚する。

 だが、孤島で2人で暮らすうちにイザベルは流産。2度目の妊娠も再度流産してしまう。失意の2人の前に1隻のボートが漂着し、中に若い男性の遺体と、女の赤ちゃんがいた。赤ちゃんを助け出したイザベルは、トムを説得し、自分たちの子どもとして育てることにする。3年後、町に戻ったトムは、3年前に海で夫と赤ん坊を亡くして悲嘆に暮れるハナ(レイチェル・ワイズ)のことを知る。

 【感想】
 予告編から、ハナが登場してからの話が中心になるのかと思ったら、トムが灯台守になるところから丹念におっており、子どもを巡る部分は後半にはいってからなので、ちょっと意外。静謐な描写が続き、赤ちゃんが漂着するまでは正直、盛り上がりにかけます。まあ、文芸作品だからこういう展開にしたのかな。

 現代とは時代も道徳観念も違うからわからないけど、妻が妊娠した段階で港町に戻れば良かったのにという気がしてなりません。二人しかいない島は幸せなときは天国だけど、つらいことがあるとそこから抜け出せない地獄に変わってしまいます。それがゆえに通常ではありえない選択をしてしまったイザベル。アリシア・ヴィカンダーは運命に翻弄される女性を好演していました。

 一方、悲嘆に暮れていたハナですが、もしかしたら赤ちゃんは生きているかもしれないとの情報をつかみます。ハナにすべてを伝えたいトムと手放したくないイザベルの間の亀裂も哀しいですが、なによりも、幼い少女にとって育ての親が犯罪者で実の親がいるというのはつらい。邦画の「八月の蝉」とか中国映画の「最愛の子」とかありますが、自分が親になってみるとなんともやりきれないシチュエーションです。

 また、マイケル・ファスベンダーが敬虔なクリスチャンで、戦場で地獄をみたがゆえに世捨て人になっているシーンから始まりますが、罪と赦しという宗教的な部分もこの映画の大きなポイントです。ラストシーンに出てくる登場人物がなぜあの人なのか、そこも考えさせられました。
posted by 映画好きパパ at 07:33 | Comment(0) | TrackBack(3) | 2017年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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