2017年07月12日

ローマ法王になる日まで

 現在のローマ法王、フランシスコ法王の若き日を描いた伝記映画。史上初めて南米出身の法王で、貧困問題にも関心があることはしっていましたが、こんなに激動の人生を送っていたとは驚きました。


 作品情報 2016年イタリア映画 監督:ダニエーレ・ルケッティ広 出演:ロドリゴ・デ・ラ・セルナ、セルヒオ・エルナンデス、エステル・バッレストリーノ 上映時間:113分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:新宿シネマカリテ 2017年劇場鑑賞116本目 



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 【ストーリー】
 2013年、新しい法王を決める選挙に出席するため、アルゼンチンのベルゴリオ枢機卿(セルヒオ・エルナンデス)はローマにいた。そこで過去の自分を振り返る1950年代のアルゼンチン。大学生のホルヘ・ベルゴリオ(ロドリゴ・デ・ラ・セルナ)は友人たちと分かれて神父になることを決意。イエズス会に入り、35歳で南米の管区長に任命される。

 だが、アルゼンチンは軍事政権による独裁が続き、反対者は容赦なく殺された。腐敗した軍事政権に反対する市民運動には一部の神父も加わり、ホルヘの友人や同僚も次々と暗殺された。一方で、教会と政権の全面対立は避けなければならず、ホルヘは責任者として難しい立場に陥る。

 【感想】
 どこまで実際にあったことかわかりませんが、学生時代は酒も恋人も好きな陽気な青年だったホルヘ。しかし、30代にして教会の責任者になることで、道は大きく変わります。ホルヘが政治犯の女性を助けるため自ら運転する車のトランクに隠したり、大統領に直談判に乗り込むなど、エンタメとしてみてもはらはらドキドキの連続です。また、残虐な拷問シーンは目をそむけたくなるなど独裁政権の恐ろしさもあますところなく描いています。

 さらに、独裁政権のスパイが教会のなかに送り込まれたり、修道院が軍警察に襲撃されるなど暗黒時代に、個人としては独裁に反対しつつも、教会を守らなければならない責任者としてどれほどの葛藤があったのか、見ているこちらもつらくなります。個人としてはできる限りの活動をしたとはいえ、本当に神の前で胸を張れるのか。平和な日本人からは想像も答えもでない難問にホルヘは苦しみます。 

 独裁政権終了後、ドイツに留学したホルヘはそこで、貧しい移民女性のもっていた聖母マリアの絵から、宗教的な啓示を受けます。貧しい人の側にこそたつべきであるキリスト教本来の教えを思い出したホルヘは、貧しい農村の教会の神父になります。しかし、彼の力量からすぐに総司教の補佐としてブエノスアイレスによびもどされます。そこでも、スラムの立ち退きを強行しようとする市当局と住民がもめている仲介にたち、住民側にたちながらも政治的手段を駆使して、事態を解決しようとします。こういう信仰と政治力双方を使うということが、現実社会には必要なのでしょう。

 イタリア映画ですが、主役のロドリゴ・デ・ラ・セルナをはじめ主要キャストはアルゼンチン出身で台詞はスペイン語。単にカトリックバンザイの作品でなく、政治、経済と宗教の対立という重いテーマを、キリスト教とは縁の薄い日本の観客でも楽しめる作品に仕上げています。監督自身もカソリックでないということで、客観的に描けたといえます。実際のフランシスコ法王のニュースをみるたびに、この映画を思い出すことでしょう。
posted by 映画好きパパ at 07:12 | Comment(0) | TrackBack(1) | 2017年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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ローマ法王になる日まで
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Tracked: 2017-07-14 08:42