2017年07月18日

花戦さ

 生け花中興の祖ともいうべき池坊専好が主人公。予告編やポスターからは一休さんのようにぎゃふんとやっつけるのかと思ったら、結構シリアスな場面もありました。生け花、茶の湯といった日本文化をあますことなく紹介しています。

 作品情報 2016年日本映画 監督:篠原哲雄 出演:野村萬斎、市川猿之助、佐藤浩市 上映時間:127分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2017年劇場鑑賞118本目



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 【ストーリー】
 戦国時代、生け花で荒れ果てた人心を和ませたのが 京都の寺・六角堂(頂法寺)だった。そこの僧侶、池坊専好(野村萬斎)は、織田信長(中井貴一)に呼ばれ岐阜城で巨大な生け花を披露するが、枝が折れてしまう失態をおかす。そこで救ったのは秀吉(市川猿之助)の機転だった。

 やがて秀吉は天下人になる。専好は六角堂の責任者になるが、気ままに町人と生け花をしているほうが楽しい彼にとってプレッシャーになる。そんな彼を救ったのが千利休(佐藤浩市)の茶の湯の教えだった。だが、傲慢になっていく秀吉と利休は衝突し、石田三成(吉田栄作)の告げ口もあり、利休は窮地に陥る。利休の弟子の前田利家(佐々木蔵之介)は、おなじ風流人通しの専好に、利休が謝罪するよう説得を頼むのだが…

 【ストーリー】
 森下佳子脚本に しては、基本的なプロットはひねりがないというか、利休のわびさびを分からない秀吉が嫉妬し、三成がつけこむというオーソドックスなもの。しかし、その分物語は王道的で、序盤で専好を救った秀吉が権力を持つと、利休をはじめ多くの命を軽んじる暴君になっていく様子は、薄ら寒くよく描写されています。

 特に、前半が京都の町人たち(高橋克実ら)との交流をユーモアたっぷりで描いているし、行き倒れになった天才的な絵の才能をもった少女(森川葵)を保護するなど、人情話もたくさんつまっています。それゆえに、利休の一件が始まってから、いっきに物語がシリアスになったのには驚きました。

 安土桃山時代が茶、生け花、日本画と日本文化が一気に吹き出す一方、秀吉の変容で陰 がよぎる時代だということをよく表しています。そして、何よりも池坊が総力を挙げた生け花の数々がスクリーンによく栄えること。門外漢の僕にも、花の力というものが感じました。森川や町の子供たちが全然年を取ったようにみえなかったのはご愛敬でしょうか。

 専好は人を覚えるのが苦手で、夢中になると礼儀もどうでもよくなるという天才肌だけど子供じみたところがある役はお手の物。シリアスさとの切り替えもうまい。そのほか芸達者をそろえており、大河ドラマの配役のよう。

 ただ、歴史をしっているこちらからすれば、この後も朝鮮出兵とか秀次事件とかあるわけで、晩年まで秀吉の暗黒面は変わらなかったのですから、なんだかなあ、という気もしてしまいました。
posted by 映画好きパパ at 06:58 | Comment(0) | TrackBack(3) | 2017年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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花戦さ ★★★★
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花戦さ
Excerpt: ちょっと個人的にはイマイチだったかなぁ。
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