2017年07月19日

忍びの国

 アクションエンタメ時代劇の傑作。忍者と侍のアクションシーン、キャラクターや非常な忍者など人間ドラマすべてよし。何より石原さとみの美しさが尋常ではありませんでした。

 作品情報 2017年日本映画 監督:中村義洋 出演:大野智、石原さとみ、伊勢谷友介 上映時間:125分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ日劇 2017年劇場鑑賞119本目



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 【ストーリー】
 戦国時代、伊賀国は人間の気持ちなどもたない忍者たちが治めていたが、天下統一を狙う織田軍との戦いが間近に迫っていた。忍者の名門に産まれながら、忍者たちの非道ぶりに憤った下山平兵衛(鈴木亮平)は織田に寝返り、信長の息子の信雄(知念侑李)に伊賀攻めを進言する。信雄の家臣で武勇に優れた 日置大膳(伊勢谷友介)をはじめとする大軍が攻め込んできた。

 一方、伊賀忍者の無門(大野智)は、妻のお国(石原さとみ)に頭が上がらなかったが、腕前は伊賀一だった。無門をはじめとする忍者たちが、織田軍に立ちはだかる。

 【感想】
 硬軟とりまぜ緩急自在。古くささを感じさせない忍者ものです。まず、伊賀忍者たちの非道ぶりをたっぷりとみせて、さらに、織田どころか味方ですら騙す悪辣さをこれでもかと見せつけます。原作者の和田竜が脚本を書いていますが、原作と違って、拝金主義への皮肉と、愛国主義の無意味さをたっぷりといれている現代を風刺した作品に仕上がっています。

 アクションも、ワイヤーをつかったいかにもアニメのような大げさなシーンがある一 方、日置対無門、平兵衛対無門は手に汗握るアクションの連続。特に後者の戦いぶりは、21世紀の時代劇のなかでもベストファイトといっていいぐらい観客を魅了させます。時代劇の名場面をうまく現代のアクションと融合させたといえましょう。その一方で、山田風太郎ではないですが、荒唐無稽な忍術もあちこちにちりばめています。

 そして、お国のツンデレぶり。石原さとみ史上もっとも美しいキャラクターといってもいいぐらい魅力的です。でも、お国の行動が無門の足を引っ張り、事態が悪化していくことを忘れてはなりません。美しさは正義ではないし、単なるヒューマニズムは絵空事にすぎないのです。とはいえ、現代人の感覚に近いお国の存在と、彼女によって非常な存在から人間らしい感覚 がでてくる無門との組み合わせはたまりません。

 その無門役の大野ですが、伊賀一の忍者ですから物理の法則を無視したような動きをするうえ、にやけていて人を食ったような役なので彼にぴったり。それでいて、美少女の命がけの願いですらうっちゃる非情の忍者なのですから、彼自身にとってもおいしい役だったでしょう。台詞も現代語ぽいのが、また忍者の不思議さをあらわしてるようです。

 脇役もそれぞれキャラにあっています。伊勢谷の頼りがいのあるもののふぶり、鈴木の腕はあるけど直情で損をする青年忍者。立川談春、でんでんら上忍たちのえげつなさ。わずかな出番ながら引き締めてくれる國村隼。知念は最初はちょっと?でしたが、父にコンプレックスを持つ御曹司ならではの良 さが次第にでてきました。

 最近の時代劇にはちょっと食傷気味でしたが、こういうポップな作品はいいですね。中村監督の次回作にも期待しています。
posted by 映画好きパパ at 07:13 | Comment(0) | TrackBack(4) | 2017年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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