2017年07月29日

心が叫びたがってるんだ。

 一昨年スマッシュヒットしたアニメの実写版。青春映画が得意な熊澤尚人監督の演出にフレッシュな演技陣が見事応え、切ない物語に仕上がりました。

 作品情報 2017年日本映画 監督:熊澤尚人 出演:中島健人、芳根京子、石井杏奈 上映時間:119分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2017年劇場鑑賞124本目



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 【ストーリー】
 秩父の女子高生、成瀬順(芳根京子)は幼い頃、自分の言葉が原因で両親が離婚したことを苦にして、話そうとすると腹痛が起きてしまい、まともにしゃべれることができなかった。友達もおらず、孤独な日々が続いていた。

 クラスは地域とのふれあい交流会で出し物をすることになり、担任の音楽教師、城嶋(荒川良々)は実行委員に、順、坂上拓実(中島健人)、仁藤菜月(石井杏奈)、田崎大樹(寛一郎)の4人を選ぶ。拓実も両親の離婚が自分のせいだと信じて自分の本心をかくすようになり、優等生の菜月は恋人だった拓実を支えられなかったこと、田崎は自分のけがで野球部が負けたことがそれぞれ心の傷になっていた。最初はばらばらだった4人だったが、城嶋の提案もあり、出し物がミュージカルになることに決まって…

 【感想】
 アニメ版も好きな作品ですが、アニメ版では声がでなくなる順の心象風景に玉子の王子がでてきます。実写でどうするかと思っていたら、うまく処理をしていました。また、主要キャストのうち、菜月と城嶋はアニメの印象と大きく変わっていますが、とぼけた持ち味がうまくいかせた荒川の城嶋はなれてくれば癖になりそう。石井も、普段は元気のよいイメージのある女優なので、おとなしい菜月はどうかなと思ったのですけど、うまく物語に溶け込んでいました。

 子供のおしゃべりって、大人はうざく感じることもあるでしょう。でも、それを親が責めるのはよくないのに、順の親も拓実の親もしてしまいました。そして、その傷が成長しても残ってしまいます。けれども、家族が壊したものを治してくれるのは友達でしょう。思春期の友人や恋愛がいかに人間にとって大切なことなのか、しみじみと感じさせます。

 そして、人を傷つける言葉がいかに怖いかと思い起こさせる一方、言葉を使わなければ大切な思いは伝わらないということも教えてくれます。普段、何気なくつかっている言葉というのがどういうものなのか、そして、叫びたがっている心をどうすればよいのか。思春期ならではの悩みと純粋さを熊澤監督はうまく描いています。

 圧巻はミュージカル場面。いかにも高校生の作ったような舞台装置や衣装は、作っている脇役の生徒たちの準備シーンも含めて、クラスが一体感になって取り組む懐かしさで胸がいっぱいになります。そして、物語的にある仕掛けもいれたクライマックスのシーンは、冷静に考えたらそんなにうまくいくか、という気もしますが、生徒役たちの熱唱に吹き飛びます。

 ミュージカルの曲はアニメ版と同じオズの魔法使いなどのスタンダードナンバーと生徒たちのオリジナル曲。まさにきいているこちらの心も何かをさけびたくなるような熱唱でした。唯一残念だったのが、エンディングで流れるのがアニメ版の主題歌だった乃木坂46の「今話したい誰かがいる」がなく、BGMだったこと。ただ、エンディングロールのあとに大切なシーンがあるのでお見逃しなく。

 なお、初日の舞台挨拶中継付きの回をみましたが、出演者たちの和気藹々とした様子がいかにも青春映画っぽくて、それもよかったなあ。
posted by 映画好きパパ at 07:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 2017年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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