2017年10月01日

ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦

 ナチスナンバー3でユダヤ人絶滅計画をたてたラインハルト・ハイドリヒ暗殺事件の映画化。映画では暗殺計画を肯定的に評価していますが、ナチの報復で関係ない人が数千人も殺されたのを考えると、何が正しいのか難しい思いました。

  作品情報 2016年チェコ、イギリス、フランス映画 監督:ショーン・エリス 出演:キリアン・マーフィ、ジェイミー・ドーナン、シャルロット・ル・ボン 上映時間:120分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ港北 2017年劇場鑑賞171本目



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 【ストーリー】
 ミュンヘン協定で英仏に見捨てられたチェコはナチスドイツに占領され、ナチスのナンバー3、ラインハルト・ハイドリヒ(デトレフ・ボーズ)が支配していた。ハイドリヒは残酷な統治で恐れられ、「プラハの虐殺者」「死刑執行人」と呼ばれた。

 ロンドンの亡命チェコ政府はイギリスの協力をえて、チェコの軍人だったヨゼフ(キリアン・マーフィ)、ヤン(ジェイミー・ドーナン)らを送り込み、レジスタンスとともにハイドリヒの暗殺を計画する。だが、レジスタンス内部でも、ハイドリヒを暗殺したらすさまじい報復が起きると、計画に反対する意見もあった。だが、ロンドンからは実行を厳命され…

 【感想】
 小国の悲哀を真っ先に感じました。そもそもチェコは独立国だったのに、英仏に見捨てられて、ナチスに蹂躙されます。反ナチスと疑われればすぐに処刑されます。亡命チェコ政府もイギリスの意向には逆らえません。加えて、送り込まれたヨゼフたちも、チェコの最新状況はわからないまま。

 実際、軍人はハイドリヒを暗殺したら、名誉となるのでしょうが、協力した一般市民が拷問を受けたりして次々と自決したり処刑されるシーンは目を覆うばかり。まったく関係のない村の住民がまるごと焼き殺されたというのは映画では台詞だけですが、史実でも起きているわけでなんともやりきれない気分にさせられます。

 映画ではヨゼフたちに協力する女性レジスタンス、マリー(シャルロット・ル・ボン)、レンカ(アンナ・ガイスレロヴァー)との恋も描かれますが、彼らと接点を持つことで女性たちの命も危なくなるというのは考えなかったのかなという気がしてなりません。しかもフローズン・タイムのショーン・エリス監督は、どこか突き放したような乾いた視点で作品を撮りますから、やりきれなさが募ります。

 また、終盤は史実通り、激しい戦闘シーンが繰り広げられます。これも、ヒーローが活躍するほかの戦争映画と違い、もうどうしようもない絶望があるだけの、なんともやりきれないだけ。結局、この暗殺でチェコが戦後の独立につながると、ラストのテロップでいわれますが、その後も共産圏の支配下になったため、実質、半世紀は独立できなかったことを考えると、よけいに、この暗殺は何だったのか。テロの時代といわれる現代だからこと考えたい作品でした。
posted by 映画好きパパ at 06:18 | Comment(0) | 2017年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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