2017年11月30日

人生はシネマティック!

 戦時中のイギリスで国策映画作りに奮闘する素人女性脚本家の物語。淡々とした描写ながら、時々意外な展開がまっていて、まさに人生はシネマティックと実感させられました。

 作品情報 2016年イギリス映画 監督:ロネ・シェルフィグ 出演:ジェマ・アータートン、サム・クラフリン、ビル・ナイ 上映時間:117分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2017年劇場鑑賞227本目



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 【ストーリー】
 第2次大戦中のロンドン。イギリス政府の情報省は国策映画の製作を決め、脚本家に秘書として応募してきたカトリン(ジェマ・アータートン)を抜擢する。彼女は戦意高揚CMのキャッチフレーズを書いた経験はあるものの、映画の脚本は初めてだった。

 ダンケルクの戦いで、双子の姉妹(リリー・ナイト、フランチェスカ・ナイト)が船を出して救出作戦に参加したことを映画化するようにいわれたカトリンだが、現地に取材にいったところ、船はエンストで作戦に参加できなかった。そこを無理矢理美談に仕立てようとするカトリンだが、先輩で共同脚本家のトム(サム・クラフリン)や、かつての名優だが偏屈なヒリアード(ビル・ナイ)にしごかれて右往左往。さらに、仕事に追われるうちに、夫のエリス(ジャック・ヒューストン)との仲もぎくしゃくしだして…

 【感想】
 予告編や中盤までのストーリーから、素人の女性がしごかれ、無理難題を押しつけられても才覚や周囲の協力で抜け出すコメディタッチかと思っていました。ようやくエリスを納得させられて脚本ができても、軍の上層部からアメリカの協力が必要だから、アメリカ人のヒーローを出せとか、エンストを起こすのは、イギリスの工業技術が悪いようにみえるから、エンストシーンはカットしろとか、次々に無理難題が降ってきます。それでも、映画の完成に向けてがんばるカトリンを応援したくなります。

 特にイギリスといえども女性の社会進出は遅れていた時代。そこにポット出の女性が脚本家でございといってでてきても、スタッフもキャストも軽く見ます。しかし、彼女のセンスに次第に回りも感心していき、エリスやヒリアードといった大物がいつの間にか彼女の応援団になっていくという展開は胸がすきます。

 しかし、さすが大人のヨーロッパ映画。そんな単純なストーリーにはしません。当時、ロンドンは空爆の真っ最中。カトリンも空爆に巻き込まれ、すぐそばにいた人が爆死する現実を突きつけられます。映画のなかはフィクションで絶対に死なないけど、現実は死が隣り合わせで、少しでも現実を忘れたいために映画館に駆けつけた当時の観客の気持ちを少しでも追体験させようとしています。そして、戦争のむなしさとそれでも生きる人たちを、さりげない描写の積み重ねで描いていきます。

 ジェマ・アータートンは「アリスクリード」の主演女優で、「プリンスオブペルシャ」のヒロインなど華やかな若手女優のイメージがありましたが、いい年の取り方をしていますね。ジェレミー・アイアンズが陸軍長官を演じるなど、脇役にもイギリスの名優がそろっています。また、ロケのシーンをみると、映画作りの一体感は70年前でも変わらないんだと思わせてくれ、一映画ファンとしても裏側を楽しめました。
posted by 映画好きパパ at 08:17 | Comment(0) | 2017年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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