2017年12月07日

最低。

 それぞれに悩みを抱えるAV女優たち3人のオムニバス。人気AV女優・紗倉まなの短編集が原作ということもあり、偏見無しに等身大で描いているのが好感をもてました。
 
 作品情報 2017年日本映画 監督:瀬々敬久 出演:森口彩乃、佐々木心音、山田愛奈 上映時間:121分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:角川シネマ新宿 2017年劇場鑑賞234本目





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 【ストーリー】
 草食系の夫・健太(忍成修吾)との夜の生活もなくなり、経済的に満たされながらも空虚な思いを抱えている美穂(森口彩乃)はふと、AVへの出演を決意する。人気AV女優の彩乃(佐々木心音)に、突然、田舎の母から電話がかかってくる。AVに出演していることがばれたのだ。自宅に帰ると、玄関の外で母が待っていた。

 田舎町の女子高生、あやこ(山田愛奈)は母・孝子(高岡早紀)と働き者の祖母・知恵(根岸季衣)と暮らしている。父親がだれかしらず、奔放な母と衝突ばかりのあやこは、学校でも浮いていた。ある日、孝子が元AV女優であやこを妊娠したため田舎町に戻ってきたとのうわさが学校で流れる…

 【感想】
 見終わってみて、何が最低なのか考えました。安易に裸を商売にする女優か、それで暮らしている業界人か。確かにそうなんだけど、それだけではなくて、性というのは生きる上に必要なのに不必要にベールで隠し、あらわにするものを軽蔑する世間の人たちも最低なのかなという気がしてなりません。

 特に、あやこ編では、彼女自身は悪いことをしたわけではないのに、シングルマザーに育てられているという色眼鏡に母親がAVをしていたということで、完全に異物として浮き上がっています。バケツの水をかけるような露骨な描写はありませんが、ひそひそと自分のことを後ろ指を指し、無遠慮な質問をしてくるという、普通のクラスメイトたちが、繊細な彼女の心をどれだけ傷つけたのかと思います。

 その一方で、母や夫からすると、自分の愛する女性がAVに出ているというのはショックでならないわけです。でも、おそらくそこまでにさまざまな感情のもつれもあったというのも事実でしょうし、美穂や綾乃はどこにでもいる普通の女性が、なんかのきっかけで脱いだのにすぎないと思わせられます。卑しいとされる仕事に普通の人が就いた場合どうなるのか、説明を過度にせず、淡々とした描写で観客に考えさせています。僕も身の回りの人がAV女優になったらどういうリアクションをするのかわかりません。

 瀬々監督はピンク映画出身ということもあるのでしょうか。撮影の様子や男優との会話もごく日常的な描写で、現場がこうなっているのかという好奇心をみたしてくれる一方、エロスも十分感じられるものになっています。

 もちろん、最近は出演強制の問題もでていますし、スタッフ、男優がみな普通の人間であるのは、本当にそうなのかなという気もします。でも、お仕事映画としてみても、十分成り立っています。それでいて、ラストの余韻はなかなかのもの。主演はフレッシュな顔ぶれですが、脇役にしっかり演技できる人を固めているのもよかったです。
posted by 映画好きパパ at 07:18 | Comment(0) | 2017年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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