2017年12月22日

紅い襷〜富岡製糸場物語

 世界遺産に登録された富岡製糸場に勤めた明治時代の女工の物語なんですが、スポンサーが富岡市で、富岡製糸場の歴史ドキュメンタリーと映画がまざった、最近の再現歴史番組のような感じ。制作もNHKエンタープライズですし。

 作品情報 2017年韓国映画 監督:足立内仁章 出演:水島優、吉本実憂、西村まさ彦 上映時間:100分 評価★★★(五段階) 観賞場所:渋谷シネパレス 2017年劇場鑑賞243本目



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 【ストーリー】
 明治6年、長野県松代の横田英(水島優)は幼なじみの鶴(吉本実憂)らと、富岡製糸場の女工になった。明治という新しい時代に、故郷長野のためにも富岡で最新の製紙技術を学ぶために女工になった英たちは、始めて見る西洋人や、洋風の建物や機械に驚いた。

 工場長の尾高(西村まさ彦)や、富岡製糸場の計画をたてた渋沢栄一(豊原功補)の考えで、日曜日は休み、女工も一番熟練した一等工女になれば給料がはねあがるという、西洋式の労働時間が取り入れられた。英たちは一等工女の印である赤い襷をいつかはもらおうと、日々いそしんだ。だが、難しい技術や明治になっても依然として残る身分の差、さらに病気に倒れるものもおり、一等工女への道は険しい。それでも、青春のすべてを製糸場にかけた英たちは…

 【感想】
 横田英は実在の人物で、彼女の手記を元にシナリオが作られたということで、明治という新時代を迎えた若い女性たちのはつらつさや、希望、そして厳しい現実との戦いがよく描かれています。映画でもありましたが、西洋人が赤ワインを飲んでいるだけで、富岡製糸場では異人に血を抜き取られるという噂がたつほどの時代でした。しかし、因習にも負けずにがんばる彼女たちの姿は見ていると胸が熱くなります。

 女工については物語的にわかりやすくするためか、主人公の英を中心に、周りの友人たちもキャラクターがたっています。病気に負けたり、身分の差でくやしい思いをしたりするものもいますが、友情に厚い英の存在が魅力的。おかしいと思ったら上司にも文句をいう彼女の一本気ぶりがなんともまぶしい限りです。妙にひねらず、素朴な感じがするストーリーもよかったし、士族としてのプライドや、家、国に対する思いも丁寧につたえて、時代考証もちゃんとしている印象を受けました。

 ただ、ドキュメンタリー部分や、お雇い外国人のブリュナ(ジリ・ヴァンソン)のフランス時代など、女工と直接関係ない製糸場建設をめぐるいきさつ部分が、どうしてもちぐはぐに感じてしまいます。それこそ、大河ドラマみたいに、ドラマ部分のあとに、富岡紀行として流せば良かったのではないでしょうか。また、時代は違いますが長野県の製糸工場を舞台にした「ああ野麦峠」とは女工の待遇や意気込みが全然違い、ちょっと驚きました。

 水島優はミュージカル畑出身で、映画はこれが初出演とか。失礼ながらメイクの印象もありますが、素朴な感じが当時の長野から文明開化に触れに来た少女という感じによく似合っていました。主題歌の歌声も透き通った感じでよかった。親友役に華やかで、映画やドラマ慣れをしている吉本実憂を起用したのも、良いバランスになっています。
posted by 映画好きパパ at 06:14 | Comment(0) | 2017年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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