作品情報 2012年日本映画 監督:伊藤匡史 出演:阿部寛、村上ショージ、石原さとみ 上映時間140分 評価★★★★(五段階) ネット配信鑑賞
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【ストーリー】
詐欺師・竹沢(阿部寛)は元々はまじめなサラリーマンだったが、友人の借金の保証人になったことから、闇金のヒグチ(鶴見辰吾)に脅され、手先になる。そして、アコギなヒグチの手口を警察に通報した腹いせに、自宅を放火され、幼い娘を失ってしまった過去があった。
自殺しようとした初老の男・入川鉄巳(村上ショージ)を助けた竹沢は、彼とコンビでちんけな詐欺を続ける。ある日、すりの女性・まひろ(能年玲奈)を助けた2人は、住む場所がないという彼女を自分たちのシェアハウスに住まわすことにする。ところが、まひろだけでなく姉のやひろ(石原さとみ)と、やひろの恋人の貫太郎(小柳友)も転がり込んでくる。わいわい騒ぎながらも共同生活を楽しんでいた竹沢たちだが、魔の手が再び迫ってきて…
【感想】
騙し合いに次ぐ騙し合いで、140分の上映時間も飽きずにみられました。落ち着いて考えたらあまりにも都合の良い出来事がいくつもあるのですが、そこは映画の世界ですし、竹沢たちが詐欺師とはいえ被害者なので、悪徳闇金業者に一矢を報いようとするすがすがしさもありましたし、最後まで楽しめました。
特に、娘を失った竹沢と、両親を失ったまひろの互いに心の寂しさを埋める関係を筆頭に、行き場のない5人が疑似家族のようによりそう姿はほっとします。さらに、竹沢とまひろたちの隠れたつながりも、そうそうに観客は想像できます。それだけに、最後のオチはやられたという感じがしました。
非常に良くできた脚本だと思うのが、冒頭、竹沢と入川が競馬場で、自分たちをカモろうとしたプチ詐欺師(ユースケ・サンタマリア)を見事にひっかけます。でも、見終わってみると、観客である僕が、こんな作品にだまされないぞと思われていて、見事にひっかかっているのでした。ある種メタ的な構造ですね。
阿部は安定した演技ですが、芸人だけど演技は上手とは言えない村上ショージを竹沢の相棒に起用したのもうまかった。能年のまひろ役とともに、お見事と手をたたきたくなります。逆に石原さとみは、5年前といえども役不足でしたが、一歩、脇に引いて、後輩をたてるような演技もできるというのは結構、驚きかも。最初は全然彼女とは気づかなかったし、進撃の巨人やシン・ゴジラよりも、感心しました。
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