作品情報 2017年日本映画 監督:大九明子 出演:松岡茉優、渡辺大知、北村匠海 上映時間:117分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズららぽーと横浜 2018年劇場鑑賞7本目
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【ストーリー】
江藤良香(松岡茉優)は24歳にして男性とつきあったことがなく、趣味は絶滅した動物を調べることという、地味なOL。しかし、中学の同級生で、あこがれの人イチ(北村匠海)への片思いを10年間突き通してきた。
ある日、会社の同僚ニ(渡辺大知)から告白され舞い上がる良香。だが、ダサくていけてない二は、10年間会っていないけど脳内で美青年になっているイチとは比べものにならない。それでもイチが好きな彼女は、もう一度イチに会いたいと、同級生の名前を騙って、同窓会を開くのだが…
【感想】
テレビに映画に活躍する松岡茉優の意外とも思える初主演作。綿矢りさの原作に、松岡とは短編映画で組んでいる大九明子監督との相性がすばらしい。また、実生活でも高校時代、友達がいなくて、ぼっち飯だった松岡の、残念な美人ぶりが、良香という人間が、本当にすぐそこにいるような存在感を出してくれます。
序盤は、ちょっとポップなラブコメという感じで、人付き合いが苦手でも、脳内の妄想が暴走する良香の脳天気な物語という感じを受けます。ものすごいモノローグを平然とこなす松岡にびっくりしましたけど。さらに、ニに告白されてリアルでも暴走はとどまるところをしらない。彼女にブレーキをかける美人の同僚、来留美(石橋杏奈)の忠告も振り切ります。
ここで面白いのが、彼女があだなをつけるのが大好きなことで、本葉は霧島の二をイチと対比してニと呼びます。サスペンダーをしている部長を「フレディ」と呼んだりして、完全にギャグとして使っているのかと思ったら、この名前をつけるという行為があとになって重要な意味を占めてきます。結局、人にしても物にしても、名前があってはじめて、それはそれたるのです。
また、絶滅した動物たちを愛でるということは、リアルに存在している人間とは真逆の存在に走っているわけです。アニメ、アイドルなどいろんな逃避先はありますが、絶滅した動物は人間に滅ぼされたり、進化の行き詰まりで滅びたりしたものが多い。つまり、自分を絶滅した動物と同一視することは、世間一般の人間から迫害されるか、どうしようもない自意識の肥大で身を滅ぼすか、潜在意識で気づいていると言うことではないでしょうか。こういうキャラ設定はすごいなあ。
そして、中盤から物語りは転調しだし、これまで白く見えていた物がいっきに黒くなるなど、180度世界が変わっていきます。まさに衝撃というか、観ているこちらも泣くことすらできない、心がかきむしられる苦しさにもだえるコトになります。
正直、リア充で幸せな人は、この作品はつまらないでしょう。でも、この映画をみて自分の心を突き刺されたような感覚を受けるひとには、いつまでも心に残る名作になるでしょう。
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