作品情報 2015年インド映画 監督:S・S・ラージャマウリ 出演:プラバース、ラーナー・ダッグバーティ、タマンナー 上映時間:138分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:新宿ピカデリー 2018年劇場鑑賞45本目
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【ストーリー】
古代インドのマヒシュマティ王国で政変が起こり、赤ん坊を連れて逃げだした高貴な老女(ラムヤ・クリシュナ)は川に投げ出され、神に自分の命を捧げるかわりに赤ん坊を助けるように願った。そして、赤ん坊は地元の村長夫人サンガ(ロヒニ)に拾われて、シヴドゥと名付けられた。
成長したシヴドゥ(プラバース)は川の上流が気になるが、そこには巨大な滝が流れており、人を寄せ付けなかった。ある日、滝で美しい女性のお面を拾った彼は、その美しい女性アヴァンティカ(タマンナー)の幻に導かれるように崖を登り、とうとう、滝の上にたどりついた。そこでは暴虐なマヒシュマティ王バラーラデーヴァ(ラーナー・ダッグバーティ)に反旗を翻そうというレジスタンスたちが集まっており、アヴァンティカも女戦士として、バラーラデーヴァに25年も幽閉されている前の王の妃デーヴァセーナ(アヌシュカ・シェッティ)を救出しようとしていた。シヴドゥはアヴァンティカの代わりに王国に潜入し、妃を救い出す。彼らを追ってきた王国一の剣士、カッタッパ(サティヤラージ)は、シヴドゥの顔を見たとたんにひれふして「バーフバリ」と叫ぶ。そう、シヴドゥこそ、前の王アマレンドラ・バーフバリの忘れ形見だったのだ…
【感想】
陰謀によって命からがら逃げ出した王子が、自分の本当の名前と運命をしって巨悪に挑むという、いかにも神話っぽいストーリーですが、とにかくアクションがすさまじい。ハリウッドのアクションを見慣れていても、3万人ものエキストラが参加した戦闘シーンの壮大なスケールにはあっけにとられます。
インド映画にしては、これまで日本になじみの薄いテルグ語(インド南東部)で描かれており、日本公開バージョンでは歌や踊りはそれほどありません。しかし、それを補って余りあるアクションの連続、そして、ユニークな発想の連続にただただ驚くばかり。
また、難しいことは考えずに、正義はひたすら正義、悪はひたすら悪というのもわかりやすいし、その悪の象徴であるバラーラデーヴァは、カッタッパすらかなわない暴れ狂った牛を一撃で倒すなど超人じみたパワーをみせます。悪が強ければ強いほど主人公の力も強くないといけないわけですから、見ているこちらは子供のようにワクワクします。
物語の後半は、カッタッパの語る前の王バーフバリとバラーラデーヴァの因縁のシーンが続きます。この場面は同じプラバースが演じているのに、田舎の村育ちの純朴な若者と、力と徳にあふれる王子との二役をうまく演じていてびっくり。また、前半は自然のシーンが多いですが、後半は宮廷での陰謀劇が多くなり、同じ作品なのに全然別のテイストで楽しめます。
また、女性陣も強くて美しい。敵兵の一団を皆殺しにするアヴァンティカの剣を使ったアクション、バラーラデーヴァに幽閉され、死ぬような目にあわされても屈しないデーヴァセーナ。そして、老戦士カッタッパのいぶし銀ぶりが加わり、単に主人公だけが強いのでなく、正義も悪も主要人物がみな強いというすさまじい作品がみられます。
そしてクライマックスのスーパーアクション。何か嫌なことがあったときとか、この場面をみれば吹っ飛ぶのではないでしょうか。まさに映画史上空前ともいえる大スペクタル、こいつしか僕もマヒシュマティの民のように大声で「バーフバリ!バーフバリ!」と叫びたくなりましたし、実際、終了後、劇場では自然発生的に拍手が起きていました。
また、後編に向けての引きも完璧です。これほど映画を楽しめ、次回作が楽しみな作品というのは初めてでした。ういう作品を大劇場で見られたというのは至福といっていいでしょう
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