2018年04月09日

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男

 第2次大戦中のイギリスの名首相チャーチルの、就任前後1ヶ月にフォーカスした伝記映画。政治の駆け引きが中心ですが、まさかイギリスが敗北寸前だとは知りませんでした。どのへんまでは事実ベースなんだろうな。

  作品情報 2017年イギリス映画 監督:ジョー・ライト 出演:ゲイリー・オールドマン、クリスティン・スコット・トーマス、リリー・ジェームズ 上映時間:125分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2018年劇場鑑賞84本目



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 【ストーリー】
 1940年5月、ナチスドイツの猛攻でフランスは崩壊寸前。イギリス陸軍の主力もダンケルクに孤立していた。政府は挙党一致内閣を作ろうとしたが、野党はナチスへの譲歩が戦争につながったとチェンバレン首相(ロナルド・ピックアップ)の辞任を求めていた。 

 野党が受け入れる保守党の大物はチャーチル(ゲイリー・オールドマン)しかいなかった。しかし、傲岸な性格と海軍大臣として負け戦続きで、チェンバレンも国王のジョージ6世(ベン・メンデルソーン)もチャーチルのことを嫌っていたが、ほかに人材がいなかった。いよいよドイツの攻撃は強まり、チェンバレンや、外相のハリファックス(スティーヴン・ディレイン)はヒトラーとの講話を主張。徹底抗戦をうったえるチャーチルは政界で孤立していく。

 【感想】
 第二次大戦の結果がどうなったのか今では明らかになっているけど、チャーチルが保守党で孤立するとともに、和平派の力がこんなに強かったとはしりませんでした。確かに政治家としては負けた戦いで徹底抗戦するよりも、降伏して被害を少しでも少なくしたいという考えがあるでしょう。

 しかし、チェンバレンがナチスに譲歩しつづけて、結局はヒトラーがヨーロッパの大部分を占領して、ユダヤ人虐殺をしたように、もしイギリスが和平を結んでも、民主国家として存在できたかはわからなかったわけです。その点ではチャーチルの慧眼がなければ、今頃世界地図は大きく変わったでしょう。

 また、チャーチルが傲岸というイメージはあったのですが、人前で涙を魅せるなど内面はそれほど強くないということもびっくりしました。その彼を支えたのが妻のクレメンティーン(クリスティン・スコット・トーマス)で、チャーチルも彼女の手のひらにのせられ、子供のように甘えたりして、すっかり意外な側面をみせました。

 物語が政治の話ばかりでは難しくなると思ったのか、秘書に採用されたレイトン(リリー・ジェームズ)の存在がいいアクセントになっています。チャーチルに怒鳴られて止めようとしたのをクレメンティーンが助けてくれ、次第にチャーチルの人間的な魅力に取り込まれていきます。その課程が観客の気持ちも代弁してくれ、チャーチルを応援したくなります。

 予告篇で流れている庶民の意見を聞きに行った(地下鉄はフィクションだそうですが)というのも史実ですし、最初は不仲だった国王から信任を得られるようになることも含め、チャーチルほどの異人でも、苦難を乗り越えるためには家族やいろんな人の手助けが必要だったというのは面白かった。
 もう一つ、チェンバレンがチャーチルを言葉を武器にしたと批評しましたが、なかなかのものでした。格調高いフレーズもそうですし、オールドマンがなりきったような強弱、熱のこもったスピーチの仕方もそうですし、言葉の軽い今の日本の政治家たちにこの映画はぜひみてほしい。エキストラの存在感のすごさもふくめて、非常に上質な作品だという印象でした。
posted by 映画好きパパ at 05:39 | Comment(0) | 2018年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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