2018年05月07日

いぬやしき

 朝ドラで爽やかなはにかみをみせている佐藤健が悪役となって、実質主人公のよう。SFXも邦画では最高水準で、見応えのあるSF作品になっていました。
 
 作品情報 2018年日本映画 監督:佐藤信介 出演:木梨憲武、佐藤健、本郷奏多 上映時間:127分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2018年劇場鑑賞104本目
 





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 【ストーリー】
 初老のサラリーマン、犬屋敷壱郎(木梨憲武)は会社でも家庭でもバカにされたうえ、末期がんで余命3ヶ月と診断される。しかし、家族に言い出せず、一人で夜の公園に犬の散歩にでたところ、突然、謎の爆発と光に包まれる。

 目覚めたとき壱郎は人間ではなく、機械化されたサイボーグになっていた。同じ公園にいた平凡な高校生、獅子神皓(佐藤健)も同様にサイボーグになる。壱郎は人助けに奔走するが、皓は圧倒的な力で自分が神になったとおごり、殺人を繰り返す凶悪犯になる。指名手配された皓を批判する世論の攻撃で皓の母、優子(斉藤由貴)が自殺。怒り狂った皓は新宿を破壊しはじめた。ちょうど、壱郎の娘麻理(三吉彩花)が新宿におり、壱郎も新宿に向かう。

 【感想】
 同じように圧倒的な力を与えられた壱郎と皓ですが、使い道は真逆でした。会社でも家族でも虐げられた壱郎は、心の優しさから力を私利私欲にはつかいません。一方、シングルマザーの優子に苦労をかけながら育てられた皓は、幸せな家族というものに憎しみを抱いており、自分に関係ない人間は生きる価値がないと殺戮を繰り返します。この対比は考えさせられます。

 人間だれでも壱郎のような部分と皓のような部分があるでしょう。もし、圧倒的な力をもてたらどうするのか。人間の本質がこういうときに現れるというのでしょうか。それでも、母への思いや、いじめられた幼馴染の直行(本郷奏多)を助けたり、自分を好きだといってくれるやはり誇示の同級生しおん(二階堂ふみ)との心の触れ合いなど、人間味がある部分と、それだけに社会への絶望がうまい対比になっています。

 バンと指鉄砲するところはシュールですが、予告編でもある新宿を舞台にした2人の空中戦は、ハリウッド映画にも負けないというか、逆にハリウッド映画で見飽きているだけに新宿という何度も訪れた空間がでているだけリアルさがあります。2人にとっての社会の向き合い方と家族の大切さが激突し、みているこちらの胸も熱くなります。エンドロール中のおまけエピソードも、なかなか味がありました。漫画原作のSF作品がうまい佐藤信介監督がどんどん進化している感じです。

 そして、なんといっても佐藤健の存在感。ぼんやりと社会の不合理を感じていた彼が、力によってどんどん狂気の行動をしていく。冷酷な美青年という役柄は皓にぴったりで、表情、仕草も絶妙に演じています。「半分、青い」との演技もあいまり、見事にスターという印象を受けます。一方で、木梨のしょぼくれたジジイというのも、コミカルな部分があるだけに、余計、加齢の残酷さをあらわせ、黒澤映画の「生きる」を意識した動きもはまっていました。

 そして、本郷、二階堂という芸達者の脇役を同級生に使っている配役もすばらしい。この2人、特に二階堂はこれまでとまったく違った一面をみせてくれ、堪能しました。その分、三吉彩花が食われていましたけど、クライマックス、そしてエピローグではしっかりと見せ場を作っています。最初の犠牲者役は池上紗理依なのかな。かわいかったのにもったいないと余計なことを思ってしまいました。
posted by 映画好きパパ at 07:15 | Comment(0) | 2018年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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