作品情報 2017年イタリア、フランス、ブラジル、アメリカ映画 監督:ルカ・グァダニーノ 出演:アーミー・ハマー、ティモシー・シャラメ、マイケル・スタールバーグ 上映時間:132分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズシャンテ 2018年劇場鑑賞115本目
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【ストーリー】
1983年夏、北イタリアの田舎町。大学教授のパールマン(マイケル・スタールバーグ)一家が過ごす洋館に、アメリカの大学院生オリヴァー(アーミー・ハマー)がやってきた。毎年夏に教授は海外の学生をインターンとして滞在させていたのだ。アメリカ人らしく陽気なオリヴァーは、学業もスポーツも優秀で、同じく避暑に来ている若者たちの間でも人気者になっていく。
パールマンの息子のエリオ(ティモシー・シャラメ)は内気な少年で、最初は活発なオリヴァーに反発をいだいていた。しかし、それがあこがれからいつしか恋心に変わっていく。一方、オリヴァーの方も、エリオに思わせぶりな態度をとり…
【感想】
人間の幸せって何なのだろう。せかせか都会で少ない給料で社畜になっている自分からすれば、北イタリアの陽光のもと、森の小道を散歩したり、川で泳いだり、地元の市場で地元の農産物を買って食べたりとのんびりと生きる生活は理想の暮らし方にみえます。撮影、照明、美術が僕のような素人がみても分かるくらい、あますことなく避暑地の魅力を伝えます。
そして、そこで起きる一夏の恋。最初はオリヴァーに反発していたエリオは、女の子といちゃつくような普通の男のことです。にもかかわらず、もっとも盛り上がった運命の恋の相手が男性というのは、すごい不思議。でも、二人の魂のふれあいのようなものが感じられ、それがすごく、納得できるのは、名匠ジェイムズ・アイボリーの脚色のおかげもあるのでしょう。
名前を呼んで愛を確かめ合うのも同性だからできることでしょう。自分の名前が女性の名前で呼ばれたら違和感があるけど、男性の名前だから愛する人の名前で自分を呼んでもらいたいという気持ちがノンケの僕にも何となく想像がつきます。
また、悪人やいじわるな人がだれもでず、2人の愛の物語にまったりと入れるのが良かった。エリオの両親も息子が男性が好きなことを知っても動揺せず、むしろ息子に愛に対する有益なアドバイスをします。騒々しい親戚などはでてきてもむしろほのぼのするほど。
そして終盤は冬の場面に。あれだけ陽光あふれたイタリアですが、冬の寒さで一変するその対比も良かった。ストーリーを楽しむというより、絵画を堪能したような感じでした。
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