2018年05月29日

のみとり侍

 鶴橋康夫監督によるちょっとHなオールスター時代劇。ただ振り切れていないというか、いかにもちょっと古さを感じるコメディになってしまったのは、視聴層を考えるとやむを得ないでしょうかね。

  作品情報 2018年日本映画 監督:鶴橋康夫 出演:阿部寛、寺島しのぶ、豊川悦司 上映時間:110分 評価★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ港北 2018年劇場鑑賞119本目






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 【ストーリー】
 江戸中期、越後長岡藩のエリート藩士、小林寛之進(阿部寛)は藩主・牧野(松重豊)のささいなミスを指摘したため、藩を追放され猫の蚤取りになるよう命じられる。猫の蚤取りとは飼い猫の蚤を取って日銭を稼ぐ建前で、女性相手に春を売る男の職業だった。

 蚤取りの初仕事の相手は、なんと死別した妻にそっくりの女性おみね(寺島しのぶ)。仕事が終わって、夢みたいだと喜んだ寛之進に対して、おみねは「このへたくそが」と罵声をあびせる。すっかりショックを受けた寛之進は偶然知り合ったモテ男、清兵衛(豊川悦司)に、どうすれば女性を悦ばせられるか指南を仰ぐ。

 【感想】
 江戸時代は性におおらかなところがあり、それを受けた艶笑喜劇になっています。真面目一方の寛之進に対して、モテすぎて若い妻(前田敦子)から想像を絶する仕打ちを受けている清兵衛の対比が楽しめる前半は良かった。夜の方法は人それぞれだけど、もうどうみても中年の清兵衛が、最初は若い妻を仕込んで楽しんでいたのに、体力差もあって辟易するぐらいの変態的なプレーに興じているというのは笑えました。

 ただ、途中から世相批評みたいなのが入ってきて、スパイスになったけど、単純なおもしろさは失われてしまいました。時代は田沼意次(桂文枝)の世の中で、カネばかりが幅をきかす。寛之進の長屋の隣人、佐伯友之介(斎藤工)は文武に優れ、人品も卑しからぬ武士の鑑みたいな人物ですが、それゆえ、貧しさに苦しみます。

 さらに、自由な雰囲気の田沼時代から、カネにも性にも潔癖な松平定信(三浦貴大)に権力が移るとともに、社会も住みにくくなると言う社会派的なところもいれています。そして、武士というエリートの空虚さもずばりつく。蚤取り元締めの甚兵衛(風間杜夫)、お鈴(大竹しのぶ)夫妻に、侍が蚤取りをするのは、仇討ちをするために違いないと勘違いされた寛之進はちやほやされるぐらいは笑えましたが、終盤は現代にも通じる権力者の傲慢さを風刺しています。

 ただ、せっかくだったら鉄桶蛇尾、艶笑的な話のほうが良かったような、いかにも古めかしい人情喜劇にとどまってしまったなという印象は否めません。芸達者の多い演技陣は見ていても安心でき、現場は楽しかったんだろうなと想像はつきます。予定調和的な時代劇を見たいのならばいいかもしれません。
posted by 映画好きパパ at 07:52 | Comment(0) | 2018年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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