2018年06月10日

友罪

 犯罪と贖罪を好んで描いている瀬々敬久監督らしい、心に罪悪寒を抱えた人々による群像劇。個人的には山本美月演じる女性記者がいかにも自分が正義だと思っているクズなマスゴミという感じで、ツボに入りました。

 作品情報 2017年日本映画 監督:瀬々敬久 出演:生田斗真、瑛太、佐藤浩市 上映時間:128分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2018年劇場鑑賞128本目




ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村


 【ストーリー】
 元雑誌記者の益田(生田斗真)は、事情があって会社をやめ、地方の町工場で働くことになった。同時に入社し、寮の隣の部屋に住む鈴木(瑛太)は寡黙で何を考えているか分からない男だったが、益田が作業中に指を切り落としたときに助け出したことから、2人の間に友情が生まれる。

 益田の元恋人で週刊誌記者の清美(山本美月)は、17年前に2人の子供を殺害し、少年Aとしてしられた男の行方を追っていた。益田たちの住む町のそばで児童殺害事件が起き、少年院から出所した少年Aが絡んでいるとにらんだのだ。清美から相談を受けた益田は、事件のことが書かれたサイトを見つけ、そこに掲載されている写真が鈴木にそっくりなことに驚く…

 【感想】
 少年Aの事件を主軸に、益田、鈴木がDV男の達也(忍成修吾)から救い出した女性・美代子(夏帆)、そして、タクシー運転手の山内(佐藤浩市)、少年Aの少年院時代の教官・白石(富田靖子)といういずれも過去にトラウマになるような出来事があり、自責の念にとらわれて前に進み出せない人たちのドラマが、それぞれ別個に展開されていきます。

 過去の罪の軽重でいうと、14歳とはいえ2人の児童の命を奪った少年Aが最も重い。しかし、他の面々も本人からすれば救いようもない過去にもがき苦しんでいる。何とか前に進もうとしても、端から見れば、それは自己満足にしかすぎないだろうというやり方だったりして、何ら解決になっていません。そんななか、罪を犯した人は友人を作ったり、恋人ができたりというささやかな幸せすら望むことが許されないのかという問いが観客にも突きつけられます。

 瀬々監督は、罪人たちを救おうと過剰な思い入れをさせないように注意深く撮っています。僕も第三者だったら、もうゆるされてもいいじゃないと思いたくなります。それでも、自分の子供が犯罪被害を受けたら許せるかどうかは分かりません。むしろ清美のような自分は正義の味方だと酔っているようなクズのほうが、はるかにたちが悪く見えます。ただ、清美の上司の編集長(古舘寛治)が開き直るように、読者のニーズがあるから取材するというのも事実。結局、世の中クズばかりという結論が重くのしかかります。

 ただ、これだけの登場人物をそれぞれ深掘りするためには、それこそ瀬々監督の名前を高めた「ヘヴンズ ストーリー」のように4時間は必要だった気がします。2時間程度に納めるのならば、山内と白石のシーンは削っても良かったのかな。また、有名な俳優を多く使っているだけに、この人はこういう役だろうというイメージに沿った演出も何となく気に障りました。絶叫シーンがなかったほうが、うまくまとまった気もします。

 少年犯罪の犯人が成人になったときというテーマですと「サニー/32」が今年ありましたし、更生まで広げると「羊の木」もありましたが、見比べてみるのも面白いかも。サニーや羊の木はエンタメにぶっとんでいたし、こちらは真面目すぎるきらいもあって、好みはわかれるでしょうね。

posted by 映画好きパパ at 06:56 | Comment(0) | 2018年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。