2018年06月29日

V.I.P. 修羅の獣たち


 これまでたくさんアクション映画をみていますが、ここまで目を背けたくなるような残虐シーンの連続というのは初めてでした。ストーリーも綿密で感嘆していたら、監督が「新しき世界」のパク・フンジョン。納得の傑作ですが、見返す気力体力はないなあ。

 作品情報 2017年韓国映画 監督:パク・フンジョン 出演:チャン・ドンゴン、キム・ミョンミン、イ・ジョンソク 上映時間:128分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:チネチッタ川崎 2017年劇場鑑賞144本目




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 【ストーリー】
 北朝鮮の田舎町で、一家皆殺しの猟奇殺人が起きた。捜査をはじめた国家保安局の捜査官、リ・デボム(パク・ヒスン)は捜査の中止を上層部から命じられたうえ、追放される。数年後、ソウルで残虐な手口の連続婦女暴行殺人事件が起きた。担当刑事のチェ・イド(キム・ミョンミン)は、容疑者キム・グァンイル(イ・ジョンソク)を突き止める。

 だが、グァンイルは北朝鮮から亡命してきた大物で、韓国国家情報院のパク・ジェヒョク(チャン・ドンゴン)は事件をもみ消すように命令される。殺人で逮捕されては、北朝鮮の情報を得られない上、グァンイルはCIAのグレイ捜査官(ピーター・ストーメア)の協力者でアメリカからの圧力がかかったのだ。グァンイルは北朝鮮時代から殺人を繰り返すサイコパスだったのだ。

 【感想】
 米朝首脳会談で朝鮮半島情勢が大きく変わっていますが、本作も政治の波に翻弄されつつ職務をまっとうしようとする男たちの戦いが描かれています。上からの圧力に負けずに、手段を選ばない捜査でグァンイルを追い詰めるイド。国家情報院のエリートで、殺人の解決よりも国の公安面を優先しつつ、自らの出世をもはかる野心家のジェヒョク。国のアンタッチャブルにふれたため、何かも失い、復讐の鬼となるデボム。そして、VIPなのでどんなことをしても自分は罰せられないことを分かっているグァンイル。

 それぞれ国や自分の所属している組織に裏切られつつ、自分の正義や信念を貫き通そうとします。たとえそれが自分自身を破滅に追い込むことだとわかっていても。さらに、単純なきれいごとでなく、どんな手段を使っても目的を達成しようとする男たちが戦うシーンは、ため息がでるほどかっこうよい。

 その一方で、グァンイルの犯罪シーンは、すさまじく残虐で、何しろ実行シーンではモザイクがかかっていたほど。それを平然と、むしろさわやかな表情で行うグァンイルのサイコパスぶりは観客の怒りをかきたてるためとわかりますが、さすがにここまでグロいシーンは、結構しんどかった。それにしても、おとなしいボンボン役というイメージのイ・ジョンソクがこういう役をやるというのだから、韓国映画のおくは深い。

 トップクレジットは韓流スターのチャン・ドンゴンですが、全面的な主役ではなく、むしろ、捜査妨害をしている敵役ともみれます。実力派で渋い男たちがほぼ並列で並ぶというのは、チャン・ドンゴンにしても役幅を広げたのでは。

 ただ、CIA役のピーター・ストーメア役が、いかにも韓国をバカにしているアメリカ人の典型だったのと、冒頭に現在をもってくる入れ子式なので、途中の展開がある程度想像できてしまうのがマイナス。それでも、女性は主要キャラに登場しないし、まさに男たちの挽歌ともいえる傑作でした。
posted by 映画好きパパ at 07:10 | Comment(0) | 2018年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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