2018年07月27日

カメラを止めるな!


 映画ファンの間で話題騒然。ゾンビものと聞いて腰が引ける人もいるかもしれませんが、すべての映画ファン、いや仕事や家庭など悩みをもつすべての人に捧げられた笑ってほろっとくる人生賛歌です。映画館で見ないのは人生損しているといっても過言ではありません。予告編も含めて事前情報なしで見に行くことを強くお勧めします。

  作品情報 2018年日本映画 監督:上田慎一郎 出演:濱津隆之、真魚、秋山ゆずき 上映時間:96分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:チネチッタ川崎 2018年劇場鑑賞169本目



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 【ストーリー】
 山奥の廃墟に、自主映画の制作チームがゾンビ映画の撮影に来ていた。こだわりが強い監督(濱津隆之)は主演女優(秋山ゆずき)の怖がる演技が噓っぽいと何度もNGを出し、撮影はいったん休息に。ところが、そこに本物のゾンビが現れ大騒ぎ。スタッフが次々とゾンビになるなか、監督は主演女優の恐怖の表情が撮れると、カメラを止めないで撮影を続行するよう指示する。そして、…

 【感想】
 基本的にネタバレはしないつもりですが、それでも、最初の衝撃を受けるためには、このブログも鑑賞後にご覧ください。僕自身、事前情報がなしでみられて本当にラッキーでした。

 さて、映画マニアの間ではホラー、中でもゾンビというのはコアなファンがそろっています。低予算でできるぶん、アイデア勝負なところがあり、監督、脚本、演技陣の熱量にも左右されるところが映画ファンの琴線にふれるのでしょう。本作はそういう意味では映画愛がつまっており、それどころか、ピンチを迎えても仕事をするプロ意識、愛する人との土壇場での向き合い方など、さまざまな要素が詰まっています。監督も出演者も初めて見る人ばかりなのが、先入観無く観られてかえってよかった。ぽん!

 制作費はわずか300万円。今、上映しているハン・ソロなら数秒しか撮れない資金です。それでも、僕が上映したチネチッタではハン・ソロやジュラシックワールドを抑えて週末1位というから、映画は面白い。上映後、自然発生的に拍手が起きていました。カネがなくても、無名の監督・キャストでも、面白いモノは作れるということを証明しています。ぽん!

 特に映画ファンほどうならせる仕掛けがいくつかあります。例えば、このゾンビ映画はワンカットで撮影しています。文字通りカメラを止めないで、たった1台のカメラで撮っているのです。POVという主観映像のホラーが一時期はやりました。「ブレア・ウィッチプロジェクト」とかですね。そういう作品でも、カットは割っています。しかし、本作はずっと長回しなので、NGを出したらそこでおしまい。また、最初から取り直しなのです。そのチャレンジャー精神はすごい。カメラが撮影中、すっころんだり、血糊がついてもそれをぬぐって続けています。普通の作品だったら絶対NGなのに、かえって臨場感あふれるシーンに仕上がっています。ぽん!

 また、ホラーファンこそ突っ込みたくなるようなシーンも随所にあります。例えば、ヒロインが追い詰められたとき、足下に斧が落ちているのを偶然、見つけます。それをみたヒロインは「斧が落ちてる。運がいいわ」と平然と斧を拾っています。こういうご都合主義は、ホラーファンほど突っ込みをいっせいに入れたくなるわけで、よくこんなシーンをいれるなと思いきや…ぽん!

 さらに、終盤になるほど怒濤の展開が続きます。前半はゾンビ映画としては新機軸で頑張っているけど、なんでこんなに名作だと評判になっているのかいまいち不明だったのですが、なるほどそういうわけかという、伏線の張り方と回収が本当に見事。三谷幸喜作品と比較する声も出ていますが、映画作品としてはこちらのほうが上でしょう。ぽん!ぽん!

 なぜ、文章にぽん!が入っているか、それは映画をみてはまってください(笑)
posted by 映画好きパパ at 07:36 | Comment(0) | 2018年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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