2018年08月17日

ヒトラーを欺いた黄色い星

 第2次大戦中、ナチスのユダヤ人虐殺を逃れて隠れ住んだユダヤ人は結構おり、ベルリンでは7000人が潜伏していました。しかし、警察やゲシュタポもこうしたユダヤ人の存在を捜査しており、終戦時に生き残れたのは1500人しかいません。この史実を、実際の生存者へのインタビューとドラマ仕立ての回想シーンを混ぜながら、明らかにしています。

 作品情報 2017年ドイツ映画 監督:クラウス・レーフレ 出演:マックス・マウフ、アリス・ドワイヤー、ルビー・O・フィー 上映時間:111分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2018年劇場鑑賞184本目




ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

 【ストーリー】
 第2次大戦中、ベルリンに隠れ住む4人の若いユダヤ人の男女。工員のツィオマ(マックス・マウフ)は上司から工場に戻るように言われたととっさに噓をつき、ユダヤ人狩りを逃れる。ハンニ(アリス・ドワイヤー)は、髪の毛をブロンドにそめ、ドイツ人女性のふりをする。オイゲン(アーロン・アルタラス)は匿ってもらった家で、ヒトラーユーゲントの制服を借りて着ていた。ルート(ルビー・O・フィー)はドイツ国防軍大佐の家にメイドとして仕えるが、主人は見て見ぬふりをしてくれた。ユダヤ人だとばれたら命がない4人は知恵と勇気で難関を乗り越えようとするのだが…

 【感想】
 インタビューとドラマを混ぜる手法はNHKスペシャルなんかでみるけれど、映画ではあまり記憶がありません。制作年は2017年ですが、インタビューされた人のなかには2012年に亡くなった人もおり、月日の流れを実感させられた作品でした。

 4人ともインタビュー場面で年老いた本人が出てくるわけですから、終戦まで無事だったのはわかっているけど、それでも、間一髪摘発を逃れるシーンや、仲間が秘密警察にとらえられるシーンではみているこちらがハラハラしました。実際、7000人中の1500人しか助からなかったわけですから、本当に彼らは運がよかったわけです。

 ただし生き延びたのは運が良かっただけでなく、なんとしても生き延びようという強い意志と、才覚がおおきかった。さらに、ドイツ人のなかでもユダヤ人に同情的な人がおり、自分の命が危ないのに、大して知り合いでもないユダヤ人を助けようとする人もいたわけです。もし、自分が同じような立場にいたときに困った人を助けられるかどうか考えさせられました。ドイツにとっても戦時中には反逆行為だとみられたことが、客観的にみれば国の良心だったわけです。こういう良心的な人がどれだけ多いかというのも文明の尺度なのかもしれません。

 デートを心待ちにしたり、ダンスやゲームに興じたりというごく普通の青春を送っていた彼ら。それがユダヤ人というだけで虐殺されそうになるのです。そのごく日常生活から、逃亡していること自体が日常になっていくという恐ろしさ、ナチスの非人道的行為が観ていて本当に怒りを覚えます。戦争中のユダヤ人を扱った作品は多いけれど、こういう日常ー非日常がつながった視点の作品だからこそ、身につまされる感じがしてなりませんでした。
posted by 映画好きパパ at 07:17 | Comment(0) | 2018年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。