2018年09月02日

悲しみに、こんにちは

 スペインの女流監督が幼い頃に両親を亡くした思い出を自伝的に描いた作品。6歳という難しい年頃の少女とそれにふれあう大人たちの関係をよく描いています。

 作品情報 2017年スペイン映画 監督:カルラ・シモン 出演:ライア・アルティガス、パウラ・ロブレス、ブルーナ・クシ 上映時間:100分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:渋谷ユーロスペース 2018年劇場鑑賞198本目 



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 【ストーリー】
 1993年、6歳の少女フリダ(ライア・アルティガス)は両親が病死したため、田舎町の叔父エステバ(ダビド・ベルダゲル)に引き取られる。そこにはエステバの妻マルガ(ブルーナ・クシ)といとこで4歳のアナ(パウラ・ロブレス)がいた。

 バルセロナ育ちのフリダにとって田舎での暮らしは初めてのことばかり。何かとまとわりつくアナもうっとうしく、叔父と叔母との距離もわかりにくい。不安と戸惑いが募るばかりだったが…

 【感想】 
 6歳の少女の視点からみて、説明的なセリフを排しています。時代風景から考えると両親はエイズで死亡し、だからフリダがアレルギーの症状が出ると、周囲はエイズではないかと恐れて、遠巻きにします。医師に診察され注射をうつことは幼い少女にとってつらいし、ただでさえ家族関係に疲れているので、どうしても不機嫌になってしまう。このへんが、エステバとマルガには理解できないし、観客も何も考えずにみているとまったくわからない(笑)

 また、フリダは無意識でしょうが、自分がエステバたちに受け入れられるかどうか不安で、わざと試すような行動をします。血のつながったエステバは日中は仕事に出かけているため、血のつながらないマルガが面倒をみなければいけない。アナとの関係もあり、気苦労が絶えないマルガのがんばりは観ていて同情しますけど、余裕がないため、どうしても齟齬がおきてしまう。そんな些細な積み重ねが丹念に描かれています。やはり実体験もあるのでしょうかとてもリアルです。

 一方、たまにやってくるフリダの祖父母、マルガにとって義父母は甘やかすばかり。もちろん親を亡くした少女にやさしくする必要があるでしょうが、フリダのおてんばぶりに手を焼いているだけに、マルガのいらつきもよくわかります。結局、家族でも人間関係は相手のことを思いやる想像力がないと、円滑にいくのは困難です。

 淡々と流れるが故に、平板に感じる部分もありましたが、幼い娘からみた大人はどういうものか、6歳といえども理解できることも多いのです。子育ての大変さというのが伝わってきます。スペインの美しい自然の中で生きること、人間らしい生活ってこうなのかなという気もしますし、なんだかんだ言って人生は前に進むということを柔らかい目線で伝えてくれるというところもあります。この映画で夏休みにちょっと一息つきながら、家庭のことに思いを巡らすいい機会になるかもしれません。
posted by 映画好きパパ at 07:45 | Comment(0) | 2018年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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