2018年09月12日

ブレス しあわせの呼吸

 人間は何のために生きるのだろうという難題に、真っ正面から、でもユーモアや家族愛をまじえて取り組んだ秀作。これがプロデューサーの両親の実話だと言うからびっくりでした。

 作品情報 2017年イギリス映画 監督:アンディ・サーキス 出演:アンドリュー・ガーフィールド、クレア・フォイ、トム・ホランダー 上映時間:118分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:角川シネマ有楽町 2018年劇場鑑賞204本目




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 【ストーリー】
 1958年、28歳のロビン(アンドリュー・ガーフィールド)は新婚の妻ダイアナ(クレア・フォイ)から妊娠を告げられ幸せの絶頂だった。だが、新婚旅行と仕事をかねて2人でいったケニアでポリオに感染。首から下が麻痺し、人工呼吸器なしでは生きられない体になった。

 英国に帰国後、病院のベッドに縛り付けられ、生きる屍のようになっているロビンにいたたまれなくなったダイアナは、医師の「退院したら余命数ヶ月」という反対を押し切って、自宅で看病することを決意する。そこから長い闘病生活が始まったが、家族や友人の支援もあり、ロビンは次第に生きる希望を取り戻していく。

 【感想】
 難病ものというお涙頂戴のイメージがありますが、可哀想可哀想ではなく、家族や友人、そして何より本人の力で自分の未来を切り開いていったロビンの生き方は、観ているこちらの背筋を伸ばすような清冽さがありました。

 前途洋々の人生が一瞬で暗転。病床にくくりつけられたロビンは自殺すら願い、生まれてきたばかりの自分の子どもに見向きもしません。そんな彼にまず、生きる希望を与えたのがダイアナでした。彼のことを愛し、決して見捨てず、それはきれいごとだけでなく、人工呼吸器が外れたときの緊急事態に対応するためには、一人でどこかにでかけることすらままなりません。けれども彼女にとって、ロビンと息子のジョナサンが何より大切であり、医師と戦ったり、ロビンのために郊外の家を購入しようと奮闘するなど、超人的な活躍をみせます。

 さらに、ロビンの親友で技術者のテディ(トム・ホランダー)のアイデアで、ロビンの闘病生活は一変します。車椅子に人工呼吸器を取り付ければよいというコロンブスの卵のようなアイデアで、ロビンは外出することができたのです。いかにもイギリスらしいユーモアまじりなエピソードだったのが、スペイン旅行にでかけたとき、山道で人工呼吸器の電源がショートしてしまい壊れてしまいます。けれどもロビンたちはそんな困難をも糧にして、村人の協力を得て、お祭り騒ぎにしてしまいます。人生を前向きにみるか、それとも過去にとらわれて前に進まないかでこれほど違いがあるのかということを如実にみせてしまいます。

 そして、ロビンは自分同様、病院に閉じ込められている重度の障害者たちを助ける運動の中心メンバーになります。国際会議に出かけたドイツで人間ではなく物のように管理されている障害者たちの描写は、デストピア的な映像もありぞっとしました。つい数十年前までこれが当たり前だったし、そんななかでも障害者も人間であるという当たり前のことを訴え続けたロビンと支えた家族は本当にすごい。

 ラストもなかなか考えさせられました。泣かせようとせず、ユーモア交じりで淡々と人生を語らせる。「猿の惑星」「ロード・オブ・ザ・リング」の吹き替え俳優で知られるアンディ・サーキスが、監督としても手腕を発揮しました。
posted by 映画好きパパ at 07:01 | Comment(0) | 2018年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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